とり入れなきゃ損!発酵食品のすごいパワー
発酵食品の数は世界に数億個と言われ、私たちの食生活にも古くからとり入れられてきました。食品は発酵することで、もとの素材より栄養価や味の風味が増したり、保存性が高まったりして、昨今では健康食材として注目を浴びています。そんな発酵食品のパワーを知り、上手にとり入れましょう。
そもそも発酵食品とは
発酵とは、微生物の働きにより食品の中のでんぷんやタンパク質が分解されることで、カラダに良い働きのある新しい成分が作りだされることです。食品を発酵させた発酵食品は、発酵することによりさまざまな良いことが起こります。
発酵食品の効果
うま味・甘味が増して風味がアップ!
食品の中のでんぷんがブドウ糖に、タンパク質がアミノ酸に分解されることで、発酵食品独特のうま味や甘みが生まれ、味に深みが出ます。
発酵前と比べて、格段に栄養価が増す
発酵中に微生物(発酵菌)の働きが加わることで、栄養素がカラダで消化・吸収しやすい形に変化します。この微生物の代謝活動によりビタミンなどの有効成分が加わって、栄養価が高まります。大豆の発酵食品である納豆は、ビタミンB2は約7倍、ビタミンKは約86倍に増します。(※)
食品の保存性が高まる
食べ物はカビや雑菌が食品に付着して繁殖することで傷みますが、発酵を担う微生物(発酵菌)が、腐敗の原因物質の繁殖を抑え、食品の保存性が高まります。
腸の善玉菌のバランスを整えて、腸内環境を正常化
発酵食品に含まれる乳酸菌は、腸内の善玉菌の活動を促進させて悪玉菌の繁殖を防ぎます。腸内のバランスが整うことで、カラダの免疫機能が高まったり、便秘の改善に繋がったりします。
たくさんある!腸にうれしい菌の種類
普段食べている食品の中には、カラダにうれしい菌がつまったものがさまざまあります。
・きのこ:しめじ・エリンギ・まいたけ・ブナピーなど
・麹菌:清酒・味噌・醤油・甘酒など
・納豆菌:納豆
・乳酸菌:ヨーグルト・チーズ・ぬか漬けなど
・酢酸菌:お酢
・酵母菌:ワイン・日本酒・パン・味噌・醤油
発酵食品を効果的にとり入れる方法
発酵食品を数種類組合せたり、他の菌活食材と一緒に摂取することで、栄養価がさらにアップし、健康増進に役立ちます。
味噌(麹菌)×しめじ・ブナピー・エリンギなど(菌)
お味噌汁の具材にさまざまなきのこを入れると、味噌の麹菌ときのこの相乗効果が得られます。生活習慣病の改善、美白効果や腸内環境のバランスを整える効果が期待できます。
納豆+キムチ
キムチの乳酸菌が納豆菌をエサにすることで、腸内の善玉菌が増え、腸内環境が整います。またキムチに含まれるカプサイシンは、脂肪燃焼にも効果を発揮します。
ヨーグルト+果物+蜂蜜
ヨーグルトの乳酸菌、果物とはちみつに含まれるビタミン・食物繊維を合わせると、便秘改善や美肌効果が期待できます。はちみつに含まれるオリゴ糖は、善玉菌のエサになるため、腸内環境改善にも効果的です。
食べ物からとり入れた菌は数日で体外へ排出されるため、腸内環境を正常に保つためには、日々こまめにとり入れることが大切です。健康と美容に役立つ”菌”を積極的にとり入れ、腸内バランスを整えると、健康で元気なカラダづくりに繋がりますよ。
【参考・参照】
(※)文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂) 「黄大豆 国産 ゆで」と「糸引き納豆」の比較による
〈https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html〉(最終閲覧日:2021/9/6)
管理栄養士 / 衞藤敬子
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。
引用:あすけん「ダイエットの知識」より