【薬剤師がすすめる】肌や指先のつらい乾燥...どんな保湿クリームがおすすめ? 選び方や皮膚科を受診する目安は?

冬になると出てくるお悩みの一つが、指先やお肌の乾燥。気が付いたら顔が乾燥していたり、指先の皮がむけてしまう……なんてことがあると思います。そんなときに手放せないのが保湿クリームですが、種類がたくさんあってどれを選ぶべきか悩みますよね。そこで今回は、保湿クリームの成分から効果・選び方について薬剤師に詳しく聞きました。
手の指先や肌が粉をふくほどの乾燥…保湿クリームは意味あるの?
Q. 保湿クリームを肌に塗るとどのような効果がありますか?
A. 保湿クリームの一番わかりやすい効果としては、「肌の乾燥を防ぐ」があります。なぜなら、保湿クリームには化粧水や乳液よりも油分の成分が多く含まれています。そのため、保湿クリームを塗ることで肌の表面に油の膜を作り、水分の蒸発を防ぐことで乾燥から肌を守ってくれています。
Q. 保湿クリームの効果的な使用のタイミングはありますか?
A. 顔の乾燥対策であれば、化粧水、乳液を塗った後に保湿クリームを使用することをおすすめします。最初に、化粧水など水分が多い保湿アイテムでお肌に潤いを与えます。そのあとに保湿クリームのような油分の多い保湿アイテムで油の膜で蓋をし、潤いをキープします。保湿アイテムは、水分が多いものから順に使用すると覚えておいてください。
Q. ハンドクリームを保湿クリームとして顔や首に使用できますか?
A. ハンドクリームを手以外の部位へ使用することは避けたほうがよいでしょう。ハンドクリームには、全身や顔用の保湿クリームよりもさまざまな成分や油分が多く含まれています。中には、顔や首にとって刺激の強い成分が含まれています。皮膚が薄い顔に使用してしまうと、皮膚に負担を与えて肌トラブルのきっかけになる可能性があるため、避けてください。
乾燥を今すぐケアしたい…クリームを選ぶときのポイントは?
Q. ドラッグストアで保湿クリームを選ぶときのポイントはありますか?
A.
自分の肌の悩みにあった成分が含まれている商品を選びましょう。
・乾燥肌の方:セラミド・ヘパリン類似物質など
・肌荒れが気になる方:グリチルリチン酸2K・アラントインなど
・美白を目指したい方:ビタミンC・トラネキサム酸など
あとは、使用感も大切です。テスターがあれば手などに試し塗りをして、肌が赤くならないかどうかやテクスチャー・香りを確かめてみてください。
Q. 保湿クリームを塗ったらべたべたするときもあります。その場合、何が原因なんでしょうか?
A. べたつきが強いものは、油分が多めな製品だと考えられます。使用感が気になる場合は、もう少し水分が多く含まれている保湿クリームを選ぶとよいでしょう。
Q. 医薬品、化粧品、医薬部外品の中ではどの保湿クリームが効果的ですか?
A. 医薬品・化粧品・医薬部外品は法律によって分類されていて、使用する目的や人体に対する作用の強さで分かれています。医薬品は効果が強く、化粧品は効果が弱いというわけではありません。部類にとらわれず、目的や悩みにあったものを選んでください。医薬品は「一般用医薬品」に限定されますが、医薬部外品や化粧品はドラッグストアなどで購入が可能です。
Q. 保湿クリームは1日何回塗ればよいですか? また、冬はこまめに塗っても大丈夫ですか?
A. 少なくとも1日2回の使用を心がけるとよいでしょう。冬は乾燥しやすいため、1日2回でもかさつきが気になるようであれば追加で使用してください。洗顔後やお風呂上りなど、皮膚が清潔なタイミングで塗るのがおすすめです。人差し指の第一関節までの量または1円玉サイズで大人の手のひら2枚分ほど塗ることができますよ。
こんな時は病院へ行くべき? 病院で処方してもらえるクリームとは?
Q. 乾燥肌で受診したらどのような保湿クリームが処方されますか?
A.
乾燥肌には保湿剤が処方されることが多いです。以下は、乾燥している肌に対して処方される保湿剤の一例です。
・ヒルドイド(ヘパリン類似物質)
・プロペト(白色ワセリン)
ヒルドイドはクリームだけではなく、軟膏やローション、泡タイプの剤形もあります。剤形の違いによって使用感が異なりますので、希望がある方は医師に相談してみてください。
Q. 乾燥肌で受診する症状の目安は何でしょうか? また、かゆみを伴わない乾燥肌でも病院で見てもらえますか?
A.
以下の場合は皮膚科への受診を検討してください。
・皮膚のかゆみや赤いぶつぶつなど別の症状の発現
・皮膚の乾燥状態がひどい
・市販の保湿クリームなどのセルフケアで改善しない
症状や処方医の判断によって、ステロイド剤やかゆみ止めを処方される場合があります。また、かゆみの有無にかかわらず、乾燥状態が強い場合も病院で診てもらえます。
Q. 乾燥肌を防ぐために、日常生活で心がけたほうが良いポイントはありますか?
A.
肌の乾燥を防ぐためには、以下のセルフケアがおすすめです。
・保湿クリームで毎日ケアする
・部屋の湿度が低い場合は加湿する
・皮膚を清潔にする
・入浴時に強い摩擦で洗わない
・バランスのよい食事を心がける
ストレスや不規則な生活で皮膚トラブルを招くこともあるため、規則正しい生活をこころがけましょう。
山口 佳蓉(薬剤師)
2018年北海道医療大学卒業。大学卒業後は、大手調剤薬局に就職。北海道内の調剤薬局に薬剤師として従事する。様々な診療科の処方を経験。約5年間の臨床経験を経て、2023年6月からライター活動を開始する。薬剤師ライターとして「正確な情報をもとに、健康を読者に届ける」をモットーに執筆活動中。
引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より
※記事内容は執筆時点のものです。
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