「いびき」や「眠気」は『睡眠時無呼吸症候群』のサイン? 自宅でできる検査の流れ【医師解説】


「いびき」や「眠気」は『睡眠時無呼吸症候群』のサイン? 自宅でできる検査の流れ【医師解説】

いびきを指摘された、日中の眠気が強い、「睡眠中に呼吸が止まっている」と言われた――こうした症状があっても、「検査が大変そう」「治療が続くか不安」と感じ、受診をためらう人は少なくありません。「睡眠時無呼吸症候群」は、検査によって状態を把握し、適切な治療につなげることが重要な病気です。現在は自宅で行える簡易検査もあり、以前より負担の少ない形で調べることができるようになっています。今回は、睡眠時無呼吸症候群の検査の流れや、検査で何が分かるのかについて、医師に聞きました。

睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?

Q. 睡眠時無呼吸症候群とは、どのような病気なのでしょうか?

A. 睡眠中に気道が狭くなり、呼吸が止まったり浅くなったりする状態を繰り返す病気です。その結果、低酸素状態となり、十分に眠っているつもりでも体が休まらず、日中の眠気や集中力低下につながります。放置すると全身への影響が及ぶことがあります。

Q. いびきがある場合、睡眠時無呼吸症候群を疑うべきですか?

A. いびきがあるからといって、必ずしも睡眠時無呼吸症候群とは限りませんが、強い関連があると考えられているため注意は必要です。特に、いびきが大きい、いびきが毎晩続く、「途中で呼吸が止まっている」と指摘されるなどの場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと考えられます。

Q. 睡眠時無呼吸症候群を放置すると、どのような影響がありますか?

A. 睡眠中の低酸素状態が続くことで、心臓や血管に負担がかかり、生活習慣病の悪化や脳血管疾患発症などのリスクが高まることが知られています。また日中の強い眠気により集中力が低下し、交通事故率などが上昇することも問題です。一方で、適切な治療を行うことにより、リスクを減らせることが報告されています。そういった意味でも、早期に発見することが重要な病気です。

Q. どのような人が検査の対象になりますか?

A. いびきや日中の眠気がある人、「睡眠中に呼吸が止まっている」と指摘された人などはもちろん、夜間の頻尿や起床時の頭痛、喉の渇きが気になる人なども対象になります。自覚症状がはっきりしなくても周囲から指摘された場合は、一度検査を検討してよいと思います。

睡眠時無呼吸症候群の検査はどうやって行われるの?

Q. 睡眠時無呼吸症候群は、「太っている人がなる」というイメージがあります。

A. 確かに、肥満は睡眠時無呼吸症候群と関連があるといわれています。しかし「太っている人しかならない」というわけではなく、むしろ痩せている人でも発症するケースは少なくありません。日本人の場合、あごが小さい、喉の構造が狭いといった骨格的な特徴が影響することもあります。体型だけで判断せず、症状があれば検査を受けることが大事です。

Q. 睡眠時無呼吸症候群の検査は、どのような流れで進みますか?

A. まずは、問診により症状や生活状況を確認した上で検査を行います。以前は入院して検査するしかありませんでしたが、最近は携帯型睡眠時無呼吸モニタリング機器を使って、自宅で簡易的な検査を行うことができるようになりました。

Q. 簡易的な検査について、もう少し詳しく教えてください。

A. 検査に同意してもらうと、自宅に検査機器が郵送されます。機器を装着して眠るだけで検査でき、装着方法も比較的簡単です。検査後は機器を返送してもらい、検査センターで解析を行うという流れですね。睡眠中の呼吸の状態や血液中の酸素濃度などを測定し、「1時間あたりに呼吸が止まったり浅くなったりする回数(AHI)」などを基に、睡眠時無呼吸症候群の可能性や重症度を評価します。

Q. 簡易検査後の流れは、どのようになりますか?

A. 当院の場合は、約1カ月後の再診時に検査で得られたデータを医師が客観的に評価し、数値やグラフを用いて説明した上で対応を患者さんと相談します。その段階である程度の呼吸停止が確認され「治療が必要」と見なされた人には、治療へ進むことをおすすめしています。「精密検査が必要」となった場合は、専門の病院を紹介して脳波などを含めた1泊の検査をお願いすることもあります。

検査結果は治療にどうつながる?

Q. 治療法についても教えてください。

A. 軽い場合は生活上の工夫や改善指導を行い、状態によってはマウスピースの作製などを検討します。生活指導の具体例を挙げると「寝具を工夫して横向きで眠る」「寝る前のアルコールを控える」「肥満の人は減量する」などです。

Q. 重症と判断された場合は、どのような治療が行われますか?

A. 重症の場合は、睡眠中に気道を保つ、CPAP治療(持続陽圧呼吸療法)と呼ばれる治療が検討されます。眠っている間に専用の機器で気道に空気を送り込み、気道が閉じるのを防ぐことで呼吸を安定させ、低酸素状態を防ぐ治療です。機器はコンパクトで持ち運びもしやすく、レンタルで対応しています。治療開始後に何か気になることがあった場合でも、機器の会社と協力し、アフターケアを行える体制を整えています。

Q. 費用面も気になります。

A. 検査は保険適用となり、3割負担の場合でおおよそ3800円です。また、検査で重症の睡眠時無呼吸症候群と診断されるとCPAP治療にも保険が適用され、機材のレンタル料金と診察料を合わせて4000円程度(3割負担の場合)かかります。


岩田 晋 医師(医療法人ひといき さくのやま内科・呼吸器内科)

福井医科大学医学部卒業。名古屋大学大学院医学系研究科分子総合医学専攻修了。小牧市民病院や名古屋大学医学部附属病院にて経験を積み、春日井市民病院呼吸器内科部長、感染制御部部長を務めた後現職。日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会専門医、日本呼吸器内視鏡学会専門医。


引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より

※記事内容は執筆時点のものです。
免責事項(Medical DOCサイトへ)

医師への24時間相談サービス 詳しくは「first call」へ

このコラムを読んだ方におすすめのアプリ

医師への24時間相談サービス

相談し放題になる、「dヘルスケア」有料利用についてはこちら

健康に関するちょっとした相談にも、医師が丁寧に回答。チャットで24時間気軽に医師に相談できます。