栄養士が伝授!秋野菜を上手に食べるコツ
秋野菜には、夏の間にたまった胃の疲れを癒し、冬に向けて免疫力を高める効果が期待できるものが多くあります。今が旬の秋野菜をとり入れるコツをあすけん栄養士が解説します。
欲しいメリットでチョイス!秋野菜のとり入れ方
夏の疲れで食欲がないときの食事にするなら
里芋・つるむらさき・れんこんなどの秋野菜は、独特の粘りがあるため飲みこみやすく、夏の疲れで食欲が落ちているときにぴったりです。
免疫力を向上させたいなら
秋が深まり湿度が低下すると、風邪やインフルエンザなどのウイルスがカラダに侵入しやすくなります。こういった感染症の予防をするなら、免疫力を高める作用があるビタミンC・β-グルカンを含む野菜を積極的に摂ることも大切です。
ビタミンC・β-グルカンをたっぷり摂ることができる主な秋野菜は下記のとおりです。
■ビタミンCが豊富な秋野菜:さつまいも・れんこん
さつまいも・れんこんに含まれるビタミンCはでんぷんでコーティングされているため、加熱しても壊れにくく、調理による損失が少ないという特徴があります。
■β-グルカンが豊富な秋野菜:しいたけ・まいたけ・しめじなどのきのこ類
きのこ類に含まれる食物繊維のひとつ「β-グルカン」には、免疫細胞を活性化し、免疫力を高める作用があるとされています。特に、しいたけ・まいたけに多く含まれています。
ダイエッター必見!秋野菜をヘルシーに楽しむコツ
さまざまな効果が期待できるものの、さつまいも・里芋・れんこんをダイエットにとり入れるなら、適量を守り、調理法を工夫することが大切です。
さつまいもをとり入れるコツ
カロリーが気になるさつまいもですが、中サイズのものを1/3本ほどを食べれば150kcal以下となりカロリーオーバーになる心配がありません。むしろ、便秘解消に役立つ食物繊維や美肌作りに効果を発揮するビタミンA(β-カロテン)・ビタミンEなどを摂ることができるため、甘いお菓子を食べるよりベターです。
さつまいもの甘みを十分に引きだすコツは、じっくり加熱すること。例えば、アルミホイルに包んださつまいもを160℃に設定したオーブンで約90分焼けば、甘みが強くしっとりとした焼き芋に。もちろん、シナモンシュガーやバターなどは付けずにシンプルに食べるようにしましょう。
里芋をとり入れるコツ
里芋は、いも類のなかでは比較的カロリーが低めで、糖質量も少なめです。
100gあたりの里芋とさつまいもを比較すると、里芋のカロリーは58kcalでさつまいもの半分以下。糖質量は36%ほど少ない11.2gです。このうれしい特徴をダイエット中の食事に活用するなら、砂糖を使った煮物にするより、「きぬかつぎ」にしてみましょう。カロリーオーバーになりにくく、ねっとりとした食感と素朴な味わいを楽しむことができます。
《きぬかつぎの作り方と食べ方》
1.洗った里芋を皮付きのまま蒸し器で15~20分蒸す。
2.蒸したての里芋の皮をむき、少量の塩をつけて食べる。
蒸し器がないときは、里芋を1個ずつラップで包み、電子レンジで約5分加熱すればOKです。
れんこんをとり入れるコツ
れんこん100gあたりの糖質量は14.2gと里芋より多め。実は食べ過ぎに注意したい食材です。
きんぴらにするなら、れんこんだけで作るのではなく、こんにゃくを加えて糖質とカロリーを抑えるとダイエット向きのメニューになります。砂糖を控えめにして薄味にするのもおすすめです。
秋野菜には、冬へ向けて体調を整えるのに役立つ栄養素がたっぷり含まれています。カシコクとり入れてみてくださいね。
【参考】
中村丁次監修 「栄養の基本がわかる図解辞典」成美堂出版(2008年p140,p148,p211)
管理栄養士 / 衞藤敬子
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。
引用:あすけん「ダイエットの知識」より