栄養成分表示はチェックしてる?見方を知って食品選びに役立てよう
食品のパッケージに記載されている「栄養成分表示」。エネルギーや食塩相当量などが書かれていますが、目にしたことはあるけど見方がよくわからない…という方も多いはず。栄養成分表示の見方を知って、毎日の健康づくりやダイエットに役立ててみませんか?
栄養成分表示とは
栄養成分表示とは、容器包装された食品に義務付けられている表示です。以下のような表で記載されることが多く、その食品のエネルギー量や食塩相当量などがわかるようになっています。
【栄養成分表示の例】
生鮮食品やお酒、スーパーで作られているお惣菜など一部対象外のものを除き、ほとんどの食品に表示が義務付けられています。栄養成分表示を活用することで、食品を選ぶ際の選択肢のひとつとして役立てることができます。
栄養成分表示の目的は健康の維持・増進
栄養成分表示は、表示される栄養成分について細かくルールが決められています。生活習慣病予防や健康維持・増進に関連があるものは義務表示、推奨表示となっており、そのほかの栄養成分については任意表示となっています。
【義務表示】
エネルギー(熱量)・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量
【推奨表示】
飽和脂肪酸・食物繊維
【任意表示】
糖質・ビタミン・ミネラル・コレステロールなど
これらの表示を確認することで、摂取の過不足を防ぐのに役立ちます。よい指標として活用してみましょう。
ナトリウムの表示が変更となり、食塩相当量がよりわかりやすく
以前はナトリウムとして表示されていましたが、2020年からは食塩相当量として表示されるようになったため、よりわかりやすい表示となりました。
以前のナトリウム表示では、実際どのくらい食塩が入っているのか(食塩相当量)を知るには計算が必要だったため、活用しづらいものでした。今後は食塩相当量の表示を活用して、食塩の摂りすぎの予防に役立てたいものです。
日本人は食塩の摂りすぎが問題となっており、高血圧の原因の大半を占めています。健康な方でも、1食あたりの食塩相当量は2~2.5g程度に抑えることが目標とされています。食品選びの際は食塩相当量に注意して見てみましょう。
ここに気をつけよう!栄養成分表示の活用法
実際に栄養成分表示を活用する際に、知っておきたいことをご紹介します。
自分の適量を知ろう
自分の適量を知っていると、栄養成分表示を見た際に栄養成分の過不足を判断する目安となります。例えばエネルギー量は以下を目安にしてみましょう。
・食事…自分に必要な1食あたりのエネルギー量
・間食…200kcal以内(ダイエット中の方は150kcal程度)
1食あたりに必要となるエネルギー量は、体格や活動量によって変わりますが、目安は下記の表の通りです。
【必要なエネルギー量の目安(1食あたり・18~64歳の場合)】
身体活動レベルⅠ (低い) |
身体活動レベルⅡ (ふつう) |
身体活動レベルⅢ (高い) |
|
男性 | 730~770kcal | 870~900kcal | 980~1020kcal |
女性 | 550~580kcal | 650~680kcal | 750~780kcal |
※日本人の食事摂取基準(2020年版)を元に作成
「○○当たり」に気をつけよう
栄養成分表示を見る際、どの単位当たりの量なのか、しっかり確認しましょう。
製品によって、「1枚当たり」・「1食(○g)当たり」・「1袋当たり」・「100g当たり」などと表示されている場合があるため、自分が食べる量で栄養成分値を確認する必要があります。
思っていたよりエネルギー量が少ないから安心!と思っていても、実は少量の場合だった…ということもあります。しっかりと「○○当たり」を確認するクセをつけておきましょう。
「0kcal」は本当にゼロでない場合も?!
栄養成分表示は、一定未満の量だった場合「ゼロ」と表示できる栄養素がいくつかあります。
例えば、100g(または100ml)あたり、エネルギーは5kcal未満、糖質や脂質だと0.5g未満でゼロと表示できます。
0kcalと表示されている清涼飲料水が、実は500mlでは20~24kcalになる…という場合もあります。たくさん食べなければそれほど気にしなくてよい数字ではありますが、0kcalのものをたくさんとっている方や、ダイエット中の方などは頭に入れておきましょう。
栄養成分表示をチェックして、似たようなメニュー同士を見比べてみたり、同じ製品でも味が違うものを見比べてみたりするのも、違いを知れておもしろいですよ。健康づくりやダイエットの取り組みとして、ぜひ活用してみてくださいね。
【参考・参照】
消費者庁 栄養成分表示について<https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/>(最終閲覧日:2021/02/16)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
管理栄養士 / 広田千尋
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
引用:あすけん「ダイエットの知識」より