栄養ドリンクは本当に効く?値段の違いから症状別の選び方まで解説!
栄養ドリンクは疲れた現代人の強い味方!栄養ドリンクの成分・選び方、そもそも本当に効くのかまで栄養ドリンクについて詳しく解説します。
栄養ドリンクは本当に効く?!
疲れが抜けない…
風邪をひいて体力を消耗している…
今日の試験だけは頑張らなければいけないのに…
私たちの体や心は、疲れやストレスと日々戦っています。たまった疲れをとり、今日だけは頑張りたいというときに身近で役に立つのが栄養ドリンクです。
しかし、栄養ドリンクは本当に効くのでしょうか?
たくさんの商品があるけれど、どれを選べばいいのでしょうか?
一口に栄養ドリンクといっても、滋養強壮剤、エナジードリンク、ドリンクタイプのサプリと、法律に定められた成分の含有によって分類されており、薬局でのみ取り扱いが可能な商品もあります。
栄養ドリンクの中でも滋養強壮剤はもともとビタミン類を含む保険薬として製造されていました。1999年から始まった医薬品販売の規制緩和にともなって、一部の商品は医薬品から外されたため、コンビニエンスストアでも販売が可能になっています。
今回は栄養ドリンクの中でも効果が期待される滋養強壮剤について徹底解説します!
栄養ドリンク(滋養強壮剤)商品の違いは?
栄養ドリンクは、含まれている成分によって医薬品・医薬部外品・清涼飲料水の三つにわけられます。
医薬品は薬機法で規制されていて、薬局や薬店のみで販売が可能です。治療や予防についての効能を記載することが可能です。
医薬部外品も薬機法で規制されますが、販売規制はないためコンビニエンスストアなどで販売することが可能です。医薬品よりは作用は穏やかですが、体への効果があるものと定められています。一般的に医薬品に準ずるものとされています。
清涼飲料水は、薬機法ではなく食品衛生法に関わる製品です。食品衛生法で食品添加物と認められているもののみ配合が可能です。「疲労回復、体力増強」などの効能は表現できません。
医薬品 | 医薬部外品 | 清涼飲料水 | |
販売規制 | 薬局 | 規制なし | 規制なし |
効果 | 治療や予防 | 穏やかな作用 | 期待できない |
効能の表現 | 可 | 記載条件あり | 不可 |
滋養強壮剤として販売されているものは、医薬品と医薬部外品になります。
値段の違いは成分に違いアリ
市販されている滋養強壮剤は、100円台で買えるものから数千円するものまで、値段もさまざまです。値段の幅が大きくて、商品選びに迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
滋養強壮剤の値段の違いは、主に含まれている成分と含有量にあります。
一般的には、成分の中に配合されている生薬の割合が高いほど、値段が高くなる傾向にあります。
しかし、高い値段の製品でも、自分の症状にあった成分が多く含まれていなければ効果も半減してしまいます。
栄養ドリンクを購入する際は、成分と含有量をしっかり確認しましょう。
ドリンク剤の大きさの違いは?
市販されている栄養ドリンクは、小さくても高価だったり大きくても安価だったり、容量と値段には関わりがないように感じられます。事実、大きさの違いは主成分に関係していることが多くあります。
大きさが30〜50mlのミニドリンク剤の多くは生薬中心になっているのに対して、100mlのドリンク剤の多くはビタミン類が主成分です。
配合されている成分によって滋養強壮や肉体疲労、食欲不振などの効能効果が異なります。
自分が悩んでいる症状に合わせて商品を選びましょう。
栄養ドリンクはどんなときに効く?
まずは疲労や体調変化の症状、症状を感じ始めた時期、原因を考えてみましょう。
症状がどんどん悪くなったり、感染症、精神疾患によるストレスなど、病気からくる疲労の場合は、なるべく早めに専門医を受診することをお勧めします。
過労・筋肉の疲れ・夏バテ・二日酔いなど、疲れを感じさせている原因が病気以外からくる疲労である場合、滋養強壮ドリンクが症状の改善の手助けになります。
薬の飲み合わせに注意!
現在服用している薬があるか確認してください。
薬の成分によっては、滋養強壮剤の成分と同時に併用すると悪影響を及ぼす場合があります。
特に、滋養強壮剤にアルコールやカフェインが含まれている場合には、薬との飲み合わせに注意が必要です。必要に応じて、服用する時間や量を調整します。
心配であれば、購入前にかかりつけ医や薬剤師に確認しましょう。
栄養ドリンクを飲むタイミング
飲む時間帯によって極端に効果が変わることはありませんが、胃腸の消化活動が活発になる食後に飲むのがお勧めです。特に脂溶性のビタミンは、食後に多く分泌される胆汁酸によって吸収率が高くなります。
また、滋養強壮剤にはカフェインが含まれているものが多いので、寝る前は避けましょう。
風邪の体力消耗改善のために使う場合は、風邪薬にもカフェインが含まれていることがあります。作用の重複を避けるため、カフェインの含まれていない栄養ドリンクを選ぶとよいでしょう。
妊娠中に飲んでもいいの?
妊娠3ヶ月以内に、ビタミンAを継続して多量に摂取すると、赤ちゃんに先天性異常があらわれる危険性が高くなります。また、妊娠中はカフェインの摂取量も制限されるため、滋養強壮剤を飲む場合は成分をしっかり確認しましょう。
栄養ドリンクを成分で選ぶ!
栄養ドリンクがすぐ効いた!と感じるのは、カフェインの覚醒作用が大きな理由とされています。
また、栄養ドリンクには微量ながらアルコールを含むものもあります。
その他の生薬やビタミン類の効用には即効性はないため、飲んですぐに効くという感覚は感じにくいかもしれません。
症状に合わせて栄養ドリンクを効果的に利用するためには、成分と作用をしっかり理解することが大切でしょう。
滋養強壮剤に含まれる主な有効成分
《動物性生薬》
成分名 | |
ハンピ(反鼻) | マムシの内臓を取り除き、皮を剥いだ後、乾燥させて棒状にしたもの。 |
ゴオウ(牛黄) | ウシの胆嚢もしくは胆管中に生じた結石を採取し、乾燥したもの。 |
ロクジョウ(鹿茸) | シカの角が骨化する前の初夏に切り取り、加工して乾燥させたもの。 |
シベット | 雄のジャコウネコの腺分泌物。 |
ローヤルゼリー | 若い働きバチが花の蜜や花粉を食べた後に頭部の咽頭腺から出す分泌物。 |
《植物性生薬》
成分名 | |
ニンジン(人参) | ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根、またはこれを軽く湯通しして乾燥したもの。 |
イカリソウ、インヨウカク | ホザキノイカリソウまたは同属植物を乾燥したもので日本では本州の丘陵地の雑木林、四国の林間地区などに自生する。 |
エレウテロコック | 東アジア北部に分布するウコギ科の落葉低木で、夏に緑白色の小さな花を散形につける。日本では北海道に自生することからエゾ(蝦夷)ウコギとも呼ばれる。 |
セイヨウサンザシ | バラ科のサンザシ及びオオサンザシ、その他変種の成熟果実(偽果)を乾燥したもの。 |
クコシ | ナス科クコ属のクコの成熟果実を乾燥させたもの。 |
ジオウ | ゴマノハグサ科アカヤジオウの肥大根をそのまま、又は蒸してから乾燥したもの。 |
タイソウ | クロウメモドキ科のナツメまたはその品種の果実を乾燥させたもの。 |
トチュウ | トチュウ科のトチュウの樹皮を乾燥したもの。 |
カンゾウ | マメ科のスペインカンゾウおよびウラルカンゾウの根及びストロン(つる状の茎)を乾燥したもの。 |
《ビタミン類》
分類 | 成分名 |
水溶性ビタミン | ビタミンB1、B2、B6、B12、Cなど |
脂溶性ビタミン | ビタミンEなど |
《アミノ酸類》
分類 | 成分名 |
必須アミノ酸 | アルギニン、メチオニン、分岐鎖アミノ酸BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン) など |
その他のアミノ酸 | タウリン など |
《その他》
・カフェイン
・カルニチン塩化物
・グルクロノラクトン
・コエンザイムQ10
・コンドロイチン硫酸ナトリウム など
栄養ドリンクを症状で選ぶ!
医薬品や医薬部外品で「滋養強壮・虚弱体質・栄養補給」など、効能が表示されているものは参考にすることができます。
実際に困っている症状に合わせて、適している成分がどのくらい配合されているか添付文書や商品の表示をご確認ください。
こんなときに | 適した成分 |
なかなか疲れが抜けない | ビタミンB群、アミノ酸(タウリンなど)、グルクロノラクトン、強壮生薬 など |
夏バテのときに | ビタミンB群、タウリン、カルニチン、ローヤルゼリー など |
スポーツ後の肉体疲労に | 分岐鎖アミノ酸BCAA、ビタミンB群、タウリン など |
風邪などの発熱による体力消耗や胃腸虚弱に | ビタミンC・E、ゴオウ、ローヤルゼリー など |
パソコン作業による目や肩の疲れに | ビタミンB1・B2、γ-オリザノール、コンドロイチン など |
疲れがたまっているときには・・
体は健康な状態だけど疲れが溜まっている、ここ一番で頑張りたいときには栄養ドリンクを利用してみましょう。
ただし、たくさん飲んだからといって効果が比例するわけではありません。表記されている用法・用量をしっかり守りましょう。また、効果がたちまち現れるものでもありません。まずは普段から規則正しい生活で栄養バランスのよい食生活を心がけましょう!
疲れは体からのサインです。疲れが溜まってどうしようもないときは、無理をせずしっかり休養をとりましょう。
ミナカラ薬局 薬剤師 小寺 瑶
(経歴)
福岡大学薬学部薬学科卒業
福岡大学大学院薬学研究科薬学専攻修士課程修了
株式会社大賀薬局
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
引用:「ミナカラメディア」より
※記事内容は執筆時点のものです。
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