【管理栄養士に聞く】コーヒーは貧血の原因となる? 避けるべきタイミングや貧血予防のための食事について
「コーヒーを飲みすぎると貧血になる」と聞いたことがある方もいるかもしれません。実際に、コーヒーの飲みすぎが貧血の原因になるのでしょうか?コーヒーが貧血の原因となるのか否かやコーヒーを飲む時の注意点、貧血予防のための食生活について解説します。
コーヒーの飲みすぎは貧血の原因になる?
Q. コーヒーの飲みすぎは体に悪影響がありますか?
A. コーヒーに含まれるカフェインは、摂りすぎると体に悪影響を及ぼすことがあります。なぜなら、カフェインの持つ作用によって興奮状態になる、吐き気・下痢などの消化器症状に影響が出るなどの可能性があるためです。また、コーヒーを飲みすぎると貧血を招く可能性はあります。
Q. コーヒーの飲みすぎで、なぜ貧血になるのですか?
A. 貧血の原因はコーヒーに含まれるタンニンです。タンニンとはポリフェノールの一種で、抗酸化作用のように体へ良い効果もあります。しかし、鉄分の吸収を阻害する作用があるため、コーヒーを飲みすぎると貧血の原因になることがあります。
Q. タンニンはコーヒー以外にどんな物に含まれていますか?
A. コーヒー以外にも、緑茶や紅茶、ワインにもタンニンが含まれます。また、飲むタイミングにも注意が必要です。特に、食事の前後は鉄の吸収を特に阻害してしまいます。
貧血にならないためのコーヒーの飲み方はある?
Q. コーヒーの飲み方でできる工夫はありますか?
A. 前述したように、食事の直前直後はコーヒーを飲まないようにするのがいいでしょう。食事で摂った鉄分がタンニンと結びつき吸収を阻害してしまうので、鉄とタンニンを同時に摂取しないように注意が必要です。飲むタイミングは、食事の前後、30分~1時間くらい時間をあけることをおすすめします。
Q. 貧血にならないためにどのくらいの量が適切ですか?
A. コーヒーの適量は、2~3杯程度です。それ以上飲むと飲みすぎになります。好きな方は、朝起きた時や仕事の休憩中に飲むことが多いと思いますが、1日の適量を意識して飲みすぎに注意しましょう。
Q. コーヒーのおすすめの種類はありますか?
A. 深煎りコーヒーを飲むことをおすすめします。コーヒー豆は、焙煎時間が長くなるほどタンニンが失われます。そのため、鉄分吸収への影響が少なく、貧血のリスクが下がります。
貧血症状を緩和させるためにおすすめの食事は?
Q. 貧血を予防する食事を教えてください。
A. 貧血を予防するために最も大切なことは、バランスのよい食事を摂ることです。鉄が含まれる食品を摂ることはもちろんですが、主食・主菜・副食をバランスよく意識することで、健康維持だけでなく、貧血の予防にもなります。
Q. 貧血予防に効果のある栄養素はどのようなものがありますか?
A. 食品に含まれる鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。体内への吸収率が高いのはヘム鉄ですが、食事から摂取する鉄の多くは、非ヘム鉄です。ですので、非ヘム鉄の吸収率を上げるたんぱく質やビタミンCと一緒に鉄を摂るような献立を考えてみましょう。また、赤血球が作られるときに必要な葉酸やビタミンB12も積極的に摂ることで、貧血の予防になります。
Q. どのような食品がおすすめですか?
A. ヘム鉄は、レバーや赤身肉などに多く含まれており、非ヘム鉄は納豆などの大豆製品や小松菜、春菊などに多く含まれています。また、非ヘム鉄の吸収率を上げる食品や、赤血球を生成するのに必要な食品は、肉や魚、いちごやキウイなどの果物、ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜があげられます。これら動物性食品・植物性食品をバランス良く組み合わせて食べることがポイントです。
牧 咲(管理栄養士)
管理栄養士 / 食事健康系ライター / 離乳食アドバイザー / 妊産婦食アドバイザー。大分県、茨城県内の医療施設(急性期病院・回復期病院)、介護施設に6年間勤務。栄養管理業務、栄養指導、レシピの提案、食や健康に関する情報発信を行ってきた。現在は、フリーランスとして、レシピの提案やコラム執筆、離乳食のアドバイスなどを行う。
引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より
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