【若年性認知症】なりやすい人の特徴は? 今からできる予防法を介護福祉士が解説


【若年性認知症】なりやすい人の特徴は? 今からできる予防法を介護福祉士が解説

認知症は高齢者だけの病気ではなく、65歳以下の方でも認知症になるリスクはあります。若くして発症する「若年性認知症」は、生活習慣を見直すことで予防が可能です。若年性認知症の概要やなりやすい人の特徴、予防方法について解説します。

若年性認知症とは? 原因やなりやすい人の性格・特徴・生活習慣について

Q. はじめに、若年性認知症について教えてください。

A. 若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症のことです。若年性認知症を発症すると、就労の継続が問題になりやすいのが特徴です。また生活費の負担や介護など、家族への負担が大きいのも特徴といえます。東京都健康長寿医療センターらが行った「若年性認知症の有病率・生活実態把握と多元的データ共有システム」によると、日本では3万5700人が若年性認知症を患っていました。18歳~65歳の人口10万人あたり50.9人が発症していることになります。

参照: 東京都健康長寿医療センター、「若年性認知症の有病率・生活実態把握と多元的データ共有システム」

Q. 高齢者の認知症と若年性認知症との違いは何でしょうか?

A. 高齢者の認知症と若年性認知症の症状に違いはありません。若年性認知症の主な要因は、「アルツハイマー病」や「血管性認知症」など、高齢者の認知症と同じです。ただし、若年性認知症は働き盛りの世代のため、仕事や子育てをどのように継続するのかが問題になります。このような生活面での問題が高齢者の認知症と異なります。

Q. 若年性認知症の原因やなりやすい人の性格や特徴はありますか?

A. 糖尿病や高血圧、脂質異常症などの持病を持っている方は注意が必要です。なぜなら、若年性認知症の主な要因である血管性認知症を引き起こす脳出血や脳梗塞のリスクが高いためです。糖尿病や高血圧などは、生活習慣病と呼ばれています。つまり運動不足や偏った食事、喫煙、過度な飲酒といった生活習慣のある方が若年性認知症になりやすいといえます。また若年性認知症になりやすい性格は、「イライラしやすい」「ネガティブ」「協調性がない」などともいわれています。

若年性認知症の初期症状は?

Q. 家族の若年性認知症に気づくにはどのような初期症状に気を付ければよいですか?

A. 若年性認知症の初期症状として、怒りっぽくなることがあります。認知機能の低下により、理解できないことが増えてイライラしやすくなるためです。また脳の機能が低下することで、自分の感情をコントロールできなくなるともいわれています。怒りっぽくなる以外には「もの忘れが激しくなる」「職場や家事でミスが増える」「何事にもやる気がでない」なども初期症状としてあらわれる場合があります。家族であれば、本人よりも早く異変を感じるかもしれません。おかしいと感じた場合は、専門医に相談しましょう。

Q. 若年性認知症の病気の進行速度は高齢者の場合と同程度ですか?

A. 若年性認知症は高齢者の認知症と比較すると、進行が早いといわれています。40代で発症すると高齢者の2倍以上にもなります。そのため若年性認知症は、健康なうちから予防に努めることや、発症した際の早期の治療が重要です。

Q. 若年性認知症の初期症状が疑われる場合、どの科を受診すればよいですか?

A. 若年性認知症が疑われる場合は、「もの忘れ外来」がおすすめです。若年性認知症の初期症状では、うつ病や精神疾患などと混同されやすく、診断も容易ではありません。そのため、認知症の専門医に相談しましょう。

若年性認知症の予防・対策方法

Q. 若年性認知症の予防方法を教えてください。

A. 若年性認知症の予防には、生活習慣を見直すことがポイントです。適度な運動、バランスのとれた食事、そして喫煙者の方は禁煙をおすすめします。喫煙は動脈硬化や高血圧の原因です。血管性認知症のリスクを下げるためにも禁煙をおすすめします。基本的には生活習慣病の予防が、若年性認知症の予防になります。

Q. 若年性認知症を発症した場合、仕事は辞めなければいけませんか?

A. 若年性認知症を発症した場合でも仕事を続けることは可能です。仕事を続けるために、障がい者雇用枠を利用する方法もあります。仕事の仕方については、上司や人事担当者、産業医と相談しベストな働き方を模索しましょう。一方、若年性認知症を理由に退職すると、経済的に困窮する要因になりかねません。可能な限り仕事を続けられるように、企業と調整することが大切です。

Q. 若年性認知症の方が受けられる支援サービスを教えてください。

A. 若年性認知症の方は、高齢者向けの支援サービスを受けることができます。例えば、デイサービスやショート、入所施設などの介護サービスです。しかし高齢者向けの施設のため、ほかの利用者と馴染めずに継続して利用できないことも多くあります。そのため若年性認知症の方が介護サービスを利用する際は、若年向けの施設がおすすめです。数は多くありませんが、首都圏などを中心に若年向けの施設も増加しています。


青木 崇(介護福祉士)

大学卒業後、5年間ECショップ運営に携わる。その後介護の仕事に興味を持ち転職、現場で働きながら介護福祉士を取得し、障がい者支援・高齢者支援に10年間携わる。これらの経験を活かし、現在は介護関係・EC関係の記事を執筆するWebライターとして活動中。


引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より

※記事内容は執筆時点のものです。
免責事項(Medical DOCサイトへ)

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