【医師解説】繰り返す足のタコ、ウオノメは病院で治療できる!? 再発予防法も聞く


【医師解説】繰り返す足のタコ、ウオノメは病院で治療できる!? 再発予防法も聞く

足の裏にある厚く硬くなったタコやウオノメ。「どうにかしたいけど、何からしたらいいか分からない」という方も多いのではないでしょうか? 実は、タコやウオノメは医療機関で治療・ケアをすることができます。

足のタコやウオノメにはどんなケアがあるの?

Q. 足のタコやウオノメは、なぜできるのですか?

A. タコやウオノメは、圧迫や摩擦などの刺激を皮膚が繰り返し受けることにより形成されます。ペンを使い続けることで指に「ペンダコ」ができるように、足だけでなくほかの部分にもできますが、やはり足部にできるのが圧倒的に多いですね。

Q. タコとウオノメは違うのですか?

A. タコとウオノメの違いは中心に芯があるかどうかです。できるメカニズムはどちらも同じく圧迫や摩擦などの刺激が原因で、放置せずに適切なケアを行う必要があります。

Q. タコ・ウオノメを放置するとどうなりますか?

A. 厚く硬くなったタコやウオノメを放置すると、さらに圧力がかかり痛みの原因や潰瘍を発症することがあります。もともと圧迫や摩擦などの刺激を受けやすいところにタコやウオノメができるので、自然に良くなることはほとんどありません。そのため、削る・切除するなどのケアが必要になります。

Q. 一度削ったり切除したりすると、再発はしませんか?

A. 似たような姿勢や歩き方、動作を繰り返す限り、残念ながら再発する可能性は高くなります。再発しないようにするためには、姿勢や動作、歩き方、靴などの履物、生活習慣そのものを見直す必要があります。

繰り返すタコ・ウオノメはどうしたら良い?

Q. では、具体的にどのような見直しが必要でしょうか?

A. 例えば「正座ダコ」と呼ばれる足首の前面にできるタコは、適切なケアに加えて正座の習慣をやめることで再発の可能性を大幅に減らすことができます。しかし、姿勢や動作については、本人の意識だけで変えるのは難しいかもしれません。

Q. 姿勢や動作が原因によるタコ・ウオノメはどうしたら良いのでしょうか?

A. まずは削る・切除するなどのケアを行います。きちんとケアしても再発を繰り返す場合には、歩く時の体重のかかり方や足の変形、可動域を評価します。ほかにも運動やストレッチの指導や、適切な靴・中敷きの作成を検討する必要もあります。

Q. 靴や中敷きでタコ、ウオノメを予防することができるのですか?

A. はい。私たちの足は構造上、体重のかかりやすい部分とそうでない部分があります。靴や中敷きを工夫することで、ひとつの部分に集中的に体重がかかるのを防ぐことができるため、タコ、ウオノメ予防に繋がるのです。また「タコ、ウオノメMAP」というものがあるのですが、ウオノメの出来やすい部分から原因となる足の変形を予想することができます。

Q. 靴や中敷きは、それぞれ新たに作成しないといけませんか?

A. 先ほど「足の構造上」と言いましたが、体重のかかりやすい部分とそうでない部分は人によっても異なります。先ほどのタコ、ウオノメMAPのような、比較的よくみられる場所であれば、変形に合わせた市販のもので十分かと思います。ですが、変形の強い場合などは靴や中敷きもオーダーメイドで作成することをおすすめします。

医療機関での「フットケア」はどのようなことをするの?

Q. では、靴や中敷きはどこで作成してもらえますか?

A. 例えば一般的な靴屋などで「シューフィッター」と呼ばれる方がいれば、そちらで作成してもらえるかもしれませんが、できればフットケアを専門にしている医療機関で診てもらったほうが良いでしょう。インターネットで「フットケア外来」といったキーワードで検索すると見つけられます。

Q. 「フットケア外来」とはなんですか?

A. 足のさまざまなトラブルに、医療的な視点で対応する診療科です。タコ・ウオノメだけではなく、巻き爪や足水虫・爪水虫など、さまざまな足の悩みに対応することが可能です。アメリカなどでは「足病学」や「足病治療」などはメジャーな分野として確立されています。とくに糖尿病のある方は、血流障害や神経障害などの合併症が影響してさまざまなトラブルを引き起こすので、出来るだけ長く自分の足で歩き続けるためにもぜひ積極的に利用していただきたいです。

Q. なるほど。そういったところで中敷きや靴を作成すると安心ですね。

A. そう思います。さらに、外反母趾、扁平足、足底筋膜炎などの病名がつくと、靴や中敷(足底板、インソール)を作成する際に、保険が適用されます。


井倉 和紀(西早稲田ライフケアクリニック)

2006年聖マリアンナ医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学糖尿病・代謝内科で糖尿病とフットケアを専門とした診療経験を積む。2023年9月、東京都西早稲田駅に「西早稲田ライフケアクリニック」を開院、院長となる。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会研修指導医、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本フットケア・足病医学会認定師。


引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より

※記事内容は執筆時点のものです。
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