「ヨーグルト」の健康効果は腸内環境を整えるだけでない! ヨーグルトを食べるメリットを管理栄養士に聞く


「ヨーグルト」の健康効果は腸内環境を整えるだけでない! ヨーグルトを食べるメリットを管理栄養士に聞く

「ヨーグルトは健康に良い」というのは、誰でも聞いたことがあるかもしれません。しかし、実際にどのような健康効果があるのか、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。朝に食べるイメージのあるヨーグルトですが、夜に食べるとどのような効果があるのかも気になります。

ヨーグルトに含まれる栄養素を紹介 なぜ健康に良いと言われるのか

Q. なぜヨーグルトは健康に良いのですか?

A. ヨーグルトに含まれる乳酸菌ビフィズス菌といった菌類が、腸内の善玉菌を増やすことで腸内環境を整えることができます。その結果、腸内の免疫力が上がり様々な健康効果につながります。具体的には、便通や免疫力の向上、便秘の改善などが挙げられます。また、ヨーグルトにはセロトニンやメラトニンというホルモンを生成する「トリプトファン」という物質が含まれています。セロトニンやメラトニンは睡眠サイクルを整えたり、リラックス効果が期待できたりするホルモンです。そのため、ヨーグルトを食べることによって、睡眠の質を向上させることができます。

Q. ヨーグルトに含まれている栄養素についても教えてください。

A. タンパク質、脂質、カルシウム、ビタミンC、ビタミンB群、乳酸菌、ビフィズス菌などが含まれています。カロリーも低めなものが多く、手軽に栄養補給ができます。また、ヨーグルトに含まれる菌類はヨーグルトによって異なり、メーカー独自のものも多く存在します。ガセリ菌SP株、R1、LG21など多くの種類があり、目的や体質に合わせて選ぶことができます。ガセリ菌SP株は、内臓脂肪の蓄積を抑える効果、R1は免疫細胞を活性化させ、アトピーや花粉症などを改善する効果、LG21はピロリ菌を減少させる効果など、様々な健康効果が期待できます。

Q. ヨーグルトは花粉症や美肌にも効果があると聞いたことがあるのですが本当でしょうか?

A. 免疫細胞の60~70%は腸内にあり、これを「腸管免疫」と言います。ヨーグルトを食べることによって善玉菌が増え、腸内の免疫力が向上します。その結果、アトピーや花粉症などのアレルギー反応が起こりにくくなると考えられています。また、ヨーグルトに含まれるビタミンCや便通改善の効果などにより、肌荒れの改善にもつながると言えます。

ヨーグルトは朝・夜どちらに食べるべき? ダイエットに効果的な時間とは

Q. ヨーグルトはダイエットにも効果的なのでしょうか?

A. 満足感があり、腹持ちが良いことなどからダイエットにも効果的です。内臓脂肪の蓄積を抑えるガセリ菌SP株を含んだヨーグルトなど、ダイエットに効果的なものも数多くあります。また、食前にヨーグルトを食べることで、糖分の吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑えるという効果もあります。

Q. ヨーグルトは朝と夜、どちらに食べたら良いのですか?

A. 朝に食べるメリットは、食欲がない時・時間がない朝でも食べやすく、習慣化しやすいことが挙げられます。また、フルーツやシリアルなどと一緒に食べることで、1日の活動に必要なエネルギーを簡単に補うこともできます。

Q. 夜に食べるメリットについても教えてください。

A. 夜に食べるメリットは、「腸のゴールデンタイム」が挙げられます。腸の働きがより活性化するゴールデンタイムは、起床してから15〜19時間後と言われています。そのため夕食後にヨーグルトを食べると、ちょうどゴールデンタイムに腸が活性化し、腸内環境を整えるのに役立ちます。就寝の2、3時間前には食べておくとより効果的ですね。また、体へのカルシウム吸収率は、夜のほうが高くなるという研究結果もあります。朝と夜、どちらにもメリットがあるため、ヨーグルトを食べる目的や体質に合わせて食べるタイミングを選択しましょう。

Q. ダイエットにはどんなヨーグルトがおすすめですか?

A. ダイエットとして食べるなら、無糖・低脂肪のものがおすすめです。砂糖が添加されている加糖タイプのヨーグルトは、糖分の摂りすぎにつながるためですね。ヨーグルトは脂質も多く含んでいるため、低脂肪のものであるとより良いでしょう。また、タンパク質が添加されたタイプやギリシャヨーグルトなどは、タンパク質を手軽に摂取できるためおすすめです。

ヨーグルトの効果的な食べ方とは おすすめの食べ合わせ・注意点を解説

Q. ヨーグルトは1日にどのくらい食べたら良いですか?

A. 1日100~200g程度にしましょう。ヨーグルトは様々な健康効果が期待できますが、食べすぎは脂質や糖質の過剰摂取につながります。また、体質やヨーグルトの種類によってはお腹がゆるくなってしまったり、アレルギー反応を引き起こしたりすることもあるため、注意が必要です。

Q. ヨーグルトと一緒に食べるならどんなものが良いですか?

A.食物繊維」や「オリゴ糖」を含むものと一緒に組み合わせて食べるのがおすすめです。どちらも乳酸菌やビフィズス菌のエサとなるため、善玉菌を増やし、腸内環境をより良くすることにつながります。食物繊維を多く含むものは、リンゴやいちごなどのフルーツ、さつまいも、きなこなどがヨーグルトと組み合わせやすくおすすめです。

Q. オリゴ糖を含む食べ物についても教えてください。

A. オリゴ糖は、はちみつやバナナ、玉ねぎ、ごぼうなどに多く含まれています。無糖ヨーグルトにはちみつやオリゴ糖シロップをかけるだけでも、簡単にヨーグルトの健康効果を向上させることができます。また、ヨーグルトを使ったソースで和えたヨーグルトサラダなども、食物繊維が豊富でおすすめです。

Q. ヨーグルトを食べるときの注意点はありますか?

A. ヨーグルトを食前と食後のどちらに食べるかで、全く違った効果になるため、食べるタイミングに注意が必要です。食前に食べるメリットは、食べすぎ防止になることです。また、空腹時のほうが体へのカルシウム吸収率が高いとも言われています。さらに血糖値の急激な上昇を抑える効果も期待できます。

Q. 食後はどうでしょう?

A. 食後に食べるメリットは、乳酸菌やビフィズス菌が生きたまま腸に届きやすいことです。空腹時では、胃酸によって乳酸菌やビフィズス菌が死滅しやすくなってしまいます。死滅した菌でも腸内環境を整える効果はありますが、生きたまま腸に届くことによって、より効果を発揮することができます。また、乳酸菌やビフィズス菌は腸に棲み着くことはないため、毎日食べ続ける必要があります。2、3日では効果を発揮できないため、最低でも2週間以上、継続して食べることが大切です。


山本 瞳(管理栄養士)

東京家政大学卒業。卒業後は病院に勤務し、栄養・給食管理業務全般に携わる。現在はフリーランスとして健康・栄養メディアなどでライターとして活動中。管理栄養士・離乳食アドバイザーの資格を保有している。


引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より

※記事内容は執筆時点のものです。
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