カフェインの摂りすぎが良くない理由とは?1日に摂っていい量は何mg?
コーヒーや紅茶が好きで毎日飲んでいるけど、なんとなく「カフェインは飲みすぎたらいけない」と思っている人は多いでしょう。カフェインにはやる気を出したり疲労を和らげたりする効果がありますが、過剰摂取は不眠やイライラを増す原因になることご存じでしたか?
カフェインを多く含む飲み物には何がある? 代表的な飲料
Q. そもそもカフェインとはどんな成分ですか?
A. カフェインとは、コーヒー豆やカカオ豆、茶葉などの植物に含まれる天然の食品成分で、アルカロイドという苦み成分の一種です。よく、朝やテスト前の眠気覚ましにコーヒーを一杯飲む人が多いですが、カフェインを含む飲み物の代表はコーヒーでしょう。
Q. カフェインを多く含む飲み物には何がありますか?
A.
カフェインを多く含む飲み物にはコーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶があります。また、最近では市場が拡大傾向にあるエナジードリンクにも多くのカフェインが含有されています。厚生労働省によると、100mlあたりのカフェイン濃度はコーヒーが60mg、紅茶が30mg、エナジードリンクまたは眠気覚まし用飲料が商品にもよりますが32~300mgです。また、飲み物ではありませんが、チョコレートの原料のカカオ豆にもカフェインが含まれています。
参照:農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
Q. カフェインを飲むとほかにどのような健康効果がありますか?
A. 交感神経を刺激する成分であるため、集中力の継続や、気分の改善に効果的です。ほかにも、全身の筋肉や心筋の運動能力の向上、血管の拡張作用による血液の循環量の増加、頭痛の軽減やむくみの予防などの効果があります。さらに、カフェインは基礎代謝を増進させて脂肪の分解を促すため、ダイエットにも効果的と言われています。
カフェインを飲みすぎると体に良くない理由 とくに注意すべき人は?
Q. カフェインを飲みすぎると健康へのリスクがありますか?
A. 過剰摂取は、めまいや心拍数増加、興奮、不安、ふるえ、不眠症、吐き気などの健康へのリスクが懸念されます。常に興奮状態が続くため、副交感神経が働かずに身体の疲労回復が行われません。さらに、カフェインには依存性があるため、飲み過ぎることによる慢性的な中毒症状にも注意が必要です。
Q. どのような人が摂取に注意すべきですか?
A. 妊娠中や授乳中の人、頭痛薬を服用している人、胃が不調な人はカフェインの摂取に注意が必要です。胎児や乳幼児の発育を阻害し、流産や低体重、不眠症のリスクを高めます。また、鎮静作用としてカフェインが含有された頭痛薬を服用している場合は、カフェインの摂取で、過剰摂取になるため注意してください。胃酸の分泌過剰作用により胃が荒れる、利尿作用により脱水症状になることもあります。空腹での摂取や、アルコールと一緒の摂取は避けましょう。
Q. カフェインの摂取に適切な時間はありますか?
A. カフェインの効果を期待する30~90分前の摂取が望ましいでしょう。カフェインは摂取後15分から効果があらわれ、摂取1時間から2時間程度で血液濃度が最大になります。また平均4時間程度で、効果が半減します。ですので、身体の疲労回復や睡眠の妨げにならないように就寝前4時間以降の摂取は控えましょう。
Q. 1日にどれくらいのカフェインの摂取なら大丈夫ですか?
A. 日本では、1日のカフェインの摂取量の基準は定められていません。カフェインは感受性に個人差があり、健康被害を及ぼす正確な評価が難しいためです。一方で世界保健機関(WHO)では、胎児への悪影響を防ぐために妊娠中はカフェイン量を300mg以下(コーヒーを2杯程度)にするよう示されています。
カフェインは気になるけどコーヒーや紅茶を飲みたい…何かいい方法はある?
Q. コーヒーや紅茶が好きでよく飲むのですが、一日どのくらい飲んでいいですか?
A. コーヒーの場合4~5杯程度、紅茶の場合8~9杯の摂取が望ましいでしょう。これは、健康な成人の摂取量を400mg以下の基準を考慮し、1日のカフェインの摂取量を算出した場合です。カフェイン含有量が100gあたり21mgを超える清涼飲料は、表示に関するガイドラインに従い、1日に望ましい摂取量を守る必要があります。過剰摂取による健康被害を受けないように、必ず表示を確認して適切な摂取量を守りましょう。
Q. カフェインを含まないコーヒーはありますか?
A. 健康志向の高まりで、カフェインを含まないコーヒーの需要は増加傾向にあります。具体的には、カフェインを取り除いたデカフェや、含有量が少ないカフェインレス、全く含まないノンカフェインが代表的です。デカフェは、コーヒーの苦みを取り除くことにより、フルーティな味わいを楽しめ、カフェインレスは、中南米地域の低カフェイン品種を楽しめます。
Q. カフェインを含まない紅茶はありますか?
A. カフェインを含まない紅茶もあります。コーヒーと同じくデカフェやカフェインレスと呼ばれており、通常の紅茶に比べて苦みがまろやかに感じるため、口当たりがよく飲みやすく優しい風味が特徴です。また、カフェインが含まれない、ハーブを使用した紅茶もおすすめです。カモミール、ルイボス、ローズヒップなど、ハーブ特有の香りや色を楽しむことができます。
村瀬 由真(管理栄養士)
愛知県内大学の管理栄養学科卒業。大学卒業後、精神科病院、給食委託会社での勤務経験あり。幅広い年齢や疾患を持つ方を対象に、献立作成・栄養指導を行う。ダイエットや生活習慣改善へ向けた、食生活の指導が得意。「具体的で行動に移せる記事」をモットーに、食に関する正しい情報を発信して悩みを解決できるようにフリーランスで記事執筆をする。より健康的な食生活の知識を得るために、スポーツ栄養士の資格を目指し勉強中。
引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より
※記事内容は執筆時点のものです。
免責事項(Medical DOCサイトへ)