あなたの「動脈硬化」リスクはどれくらい? 医師監修チェックリストで要確認


あなたの「動脈硬化」リスクはどれくらい? 医師監修チェックリストで要確認

動脈硬化は自覚症状がないまま少しずつ進行し、気づいたときには心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こす可能性があります。どんな方が動脈硬化のリスクが高く、またどうすれば予防できるのでしょうか?

動脈硬化とは? 医師が解説

Q. 動脈硬化とは何ですか?

A. 動脈硬化とは、血管の壁にコレステロールなどが蓄積し、文字通り血管が硬くなったり、狭くなったりする状態を指します。一度動脈硬化になってしまうと、自然に元に戻ることはほとんどありません。

Q. 動脈硬化になるとどんな症状があるのですか?

A. 血管の状態を表す言葉であるため、基本的に自覚症状はありません。気が付かないまま放置しておくと少しずつ進行し、悪化していきます。血管の内側に溜まった脂質の上にさらに脂質が蓄積し、プラーク(脂肪の塊)が形成されることで、血流が次第に悪くなってしまいます。

Q. 進行するとどんな影響が出るのですか?

A. 動脈が狭くなり血流が悪くなると、その部位によって様々な状態を引き起こします。心臓では狭心症、脳では認知症のリスクも高まります。また、足の血流が悪くなると歩行障害を引き起こすこともあり、全身の健康に深刻な影響を与えます。

Q. それは怖いですね。

A. それだけではありません。血流が悪くなると血液が固まりやすくなり、血栓(血の塊)ができるリスクが高まります。そして、狭くなった血管に血栓が詰まると、深刻な病気を引き起こします。例えば、脳の血管が詰まると脳梗塞、心臓の血管が詰まると心筋梗塞が発生し、場合によっては命に関わることもあります。

「動脈硬化」になりやすい人の特徴

Q. 動脈硬化になりやすい人の特徴はありますか?

A. 高血圧や糖尿病、喫煙、肥満、運動不足の人はリスクが高くなります。また、ストレスが多い生活や過度な飲酒も影響を与えます。さらに、健康診断などで中性脂肪やコレステロールの値が高い人は、すでに動脈硬化を起こしている可能性も考えられます。これらに当てはまる人は、生活習慣の見直しが必要です。

Q. 具体的にどのような見直しが必要でしょうか?

A. 食事に関して言うと、塩分や糖分、脂肪の摂りすぎを避け、暴飲暴食をしないなど、基本的なところを意識するだけでもかなり変わると思います。特に納豆や海藻、お酢などは、中性脂肪を下げて動脈硬化を防ぐ働きがあり、個人的にもお勧めしています。

Q. ほかには何かありますか?

A. 喫煙や飲酒を控え、無理のない程度に運動習慣をつけるなど、いわゆる昔ながらの健康的な生活に近づけることが大事です。また、ストレスマネージメントも重要です。

Q. 運動はどのくらいすればいいですか?

A. 1日20〜30分程度のウォーキングや軽いジョギングなど、適度な有酸素運動が推奨されます。無理のない範囲で、継続的に運動することが大切です。スクワットなどの筋力トレーニングを組み合わせるとさらに効果的です。

動脈硬化のリスクはどうやってわかる? 治療法は?

Q. 動脈硬化のリスクを調べる方法はありますか?

A. 血液検査でコレステロールや血糖値をチェックしたり、頸動脈エコー検査や血圧脈波検査(ABI・CAVI)で血管の状態を調べたりすることができます。定期的な健康診断でリスクを把握することが大切です。

Q. 医療機関にかからずに、動脈硬化のリスクを知る方法はありますか?

A. あくまで簡易的な方法ですが、(1)喫煙、(2)高血圧、(3)高コレステロール、(4)家族歴[家族に動脈硬化と診断された人がいる]、(5)糖尿病の5つのうち、当てはまる項目がいくつあるかで以下のようなイメージをつけやすいと思います。

5つ 超ハイリスク
4つ ハイリスク
3つ ややハイリスク
2つ 中リスク
1つ 低リスク

Q. すでに動脈硬化が進行している場合、治療方法はありますか?

A. 生活習慣の改善に加え、必要に応じて薬物療法(血圧・コレステロールを下げる薬)が行われます。重度の場合、カテーテル治療やバイパス手術などの外科的処置が必要になることもあります。


薗田 憲司(そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院)

日本医科大学卒業後、東京臨海病院初期研修、東京都済生会中央病院勤務を経て、2023年そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院を開院。高校時代、糖尿病になり苦しんでいる父親を救いたいという思いから糖尿病専門医を志す。外来診療で伝えきれないダイエットや血糖値改善のための食事や運動の方法を親しみやすい医師「血糖おじさん」としてYouTubeやInstagram、書籍、メディアを通じて広く情報発信している。日本内科学会内科認定医。日本糖尿病学会糖尿病専門医。


引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より

※記事内容は執筆時点のものです。
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