イライラを解消する3つの方法とは イライラの原因・怒りのコントロール方法を公認心理師に聞く

「仕事中にイライラすることが起こり、集中できない」「イライラして人に当たってしまった」こんな経験をしたことがある方も多いでしょう。イライラしているとつい人に強く当たってしまったり、そんな自分に嫌悪してしまったりと悪循環に陥ってしまうことがあると思います。
なぜイライラしてしまうのか 考えられる原因2つを解説
Q. なぜ人間はイライラしてしまうのでしょうか?
A. イライラとは、目標や計画に向かっている途中に、思い通りにならなかったり不快なことがあったりした際に、苛立つ状態を言います。目標や計画と言うと大袈裟に聞こえますが、人は誰しも「子どもには〇時までに登校してほしい」「テストで100点を取りたいから勉強しよう」「部下にもこれくらいの仕事ができるようになってほしい」などの見通しを持って過ごしています。それが上手く運ばないとイライラのきっかけになるのです。ただ、同じ出来事があっても人によってイライラする/しないには個人差があります。イライラしやすい要因を「こころ」と「身体」の2面で解説します。
Q. こころの要因とはどんなものですか?
A. こころの要因では、「家族や職場などの人間関係の悩みがある」「大きな環境の変化があった」「マイナス思考」など、いわゆるストレスがかかっている状態でイライラしやすくなります。上手く解消できないと、“周囲に当たってしまって自己嫌悪でまたイライラする”といった負のループになってしまうこともあります。
Q. 身体の原因とはどんなものですか?
A. こころと身体は密接に関係しており、身体の疲れが溜まると、こころも疲れて些細なことでイライラしやすくなります。具体的には、「睡眠不足」や「偏った食事」「自律神経の不調」「暑すぎる/寒すぎる」などでイライラしやすくなると言われています。また、「認知症」「双極性障害」「PMS」などの病気で体内バランスが崩れるとイライラしてしまうこともあります。
「イライラしやすい人」はどんな人? イライラしやすい人の心理の特徴を解説
Q. 「イライラしやすい人」とはどんなですか?
A. 性格傾向では、せっかち、正義感が強い、真面目など「こうあるべき」と理想が明確な人です。マイルールを相手にも望んでしまいやすいため、相手がそのルールを破った時にイライラしてしまいます。また、外では自分よりも周りを優先させ無理をしながら頑張っている人は、反動で家庭の中ではイライラしやすくなることがあります。
Q. イライラが原因で受診することは大袈裟でしょうか?
A. イライラの悩みで受診をすることは大袈裟ではありません。背景に病気が隠れている場合もありますので、イライラが原因で頻繁に問題が起きていたり、前よりもイライラする頻度が増えたりする時には受診を検討しましょう。
おすすめのイライラ解消方法を紹介 怒りのコントロール方法を併せて解説
Q. イライラや怒りを解消する方法を紹介して下さい。
A. イライラや怒りの解消方法を3つ紹介します。ただし、効果には個人差がありますので、自分に合った解消方法を見つけることが重要です。1つ目は、「イライラの原因を遠ざける方法」です。例えば、子どもの泣き声が我慢できない時には安全を確保した上で別室や車に逃げたり、仕事の負担が大きい時にほかの人に業務を振ったりして、イライラから距離を置くことで自分の感情を整理することができます。
Q. ほかにはどんな方法がありますか?
A. 2つ目は、「自分の好きなことをおこない、ストレスを発散する方法」が有効です。信頼できる人に話す、ぐっすり眠る、好きなものをたくさん食べる、映画を見て泣くなど人によってストレス発散方法は様々です。自分に合ったストレス発散方法を覚えておくといいでしょう。
Q. ほかにもありますか?
A. 「肩の力を抜いて」「リラックスして」と言われてもどうしたら良いか分からない人もいるでしょう。そんな人は「ゆっくりと深呼吸をすること」で身体にリラックス状態を作り出しイライラを軽減することができます。鼻から深く息を吸い込み、ゆっくりと口から吐き出すことを繰り返しましょう。
Q. 自分の力だけでは解決できない時はどうしたらいいでしょうか?
A. 自分だけで解決できない時には、病院やカウンセリングなど専門家の力を借りて解決することも1つの選択肢です。考え方を修正し、問題の改善を目指す認知行動療法や、怒りをコントロールして建設的な方法で表現することを目指すアンガーマネジメントなど専門的なプログラムを実施している所もあります。

甘中 亜耶(公認心理師)
京都文教大学大学院 臨床心理学研究科修了。大学院修了後、発達相談を経験した後、2022年から児童精神科クリニックと保健所に勤務。精神疾患やメンタルヘルスに関して「正しい情報を分かりやすく伝える」をモットーにフリーランスとしても活動している。
引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より
※記事内容は執筆時点のものです。
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