【めまい相談医に聞く】めまいの原因はさまざま...まず何科に行くべき?


【めまい相談医に聞く】めまいの原因はさまざま...まず何科に行くべき?

めまいは耳鼻科疾患が原因である場合が多いようですが、「自分のめまいの原因がわからない」「めまいをどうにかしたいけど何科に行けばいいか分からない」と悩んでいる方も多いようです。めまいの原因やまず行くべき医療機関について医師に伺いました。

「めまい」はなぜ起こるの? 医師が解説!

Q. めまいはなぜ起こるのですか?

A. めまいの原因は一つではありません。めまいの症状は、ぐるぐる回るような「回転性めまい」や、フワフワ浮いているような感じがする「浮動性めまい」、目の前が暗くなる・気が遠くなる「失神性めまい(立ちくらみ)」などの種類に分かれます。さらに、めまい症状も、立ち上がった時や眠りにつく時などに時々めまいがするというものから長期にわたってめまいが続いているケースなどさまざまで、原因も色々なものが考えられます。

Q. 最も多い原因は何でしょう?

A. 最も多いのは「良性発作性頭位めまい症」という疾患です。メニエール病などの耳からくるものも多いですが、自律神経の不調から引きおこされるめまいや、ホルモンバランスの乱れからくるめまいなどもあります。また、それらが複合的に組み合わさっていることもあり、複雑です。

Q. たくさんの原因が考えられるのですね。

A. そうですね。ほかにも、脳卒中や熱中症、脱水など、全身状態の悪化に伴うめまいもあり、この場合は早急な対処が必要です。

めまいは何科にかかれば良いの?

Q. めまいは、何科にかかれば良いのですか?

A. 「何科にかかれば良いかわからない」という方は多いと思います。まず最初に、意識消失や意識レベルの低下とともに起きためまいは、脳卒中や熱中症、脱水の可能性があるので医療機関を受診してください。意識レベルに問題がなくても、激しい頭痛や手足が動かしにくい、言葉がうまく出てこないなどの症状がある場合も同様です。それ以外であれば、耳鼻科の受診もしくは電話相談をしてください。

Q. そこから検査をして原因を探っていくのですね。

A. はい。めまいの原因は数多くあるため、ひとつずつ検査していく必要があるのです。最初の検査で診断名がつくこともありますが、長い時間をかけてやっとわかる場合もあります。一方で、検査で異常がなく「原因不明」と言われ、どうしようもなくて悩んでいる方も多くいらっしゃいます。

Q. それは辛そうですね。

A. そう思います。耳鼻科の検査や脳の検査などで「特に問題はない」と言われた方、「精神的なものです」で終わってしまった方などは、一度、めまいを専門とする医療機関にかかることをおすすめします。

めまい診療ってどんなことをするの?

Q. めまい専門の医療機関では、どんなことをするのですか?

A. 例えば当院では、めまいの起きた時期や状況などを問診し、さらに「足踏み検査」や「赤外線CCDによる眼振検査」「重心動揺検査」「眼球運動検査」「聞こえの検査」「ビデオヘッドインパルス検査(vHIT)」などを行います。また、必要に応じて、その方の個人的な環境因子を伺うこともあります。

Q. 例えばどんなことですか?

A. 一見めまいと関連性がないように思われるほかの疾患の有無や、日常の生活習慣、背景や姿勢、運動の頻度やお仕事の状況、ご自身の考え方の習慣などです。これらの因子は、自分では気が付かないうちにめまいと関連していることがあるため、めまいの診療に有用な場合があるのです。


岩崎 朱見(人形町耳鼻咽喉科めまいクリニック)

東京医科歯科大学医学部卒業後、東京医科歯科大学医学部附属病院(現・東京医科歯科大学病院)耳鼻咽喉科助手、中野総合病院耳鼻咽喉科 医長、JCHO東京高輪病院耳鼻咽喉科 医長、都立駒込病院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍外科 医長などを経て、2017年、東京都中央区に「人形町耳鼻咽喉科めまいクリニック」を開院、院長となる。医学博士、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定専門医、日本めまい平衡医学会認定めまい相談医。


引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より

※記事内容は執筆時点のものです。
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