今日から改善!コレステロールを下げる食事のポイントとレシピ
20代に比べ40代になると、体型の変化と健康診断の結果が気になる年頃ですよね。もしかしてコレステロール値が高くなっていませんか?コレステロールについての正しい知識と、毎日のお弁当にも使える便利なレシピを集めました。コレステロールを下げる食事で健康な体を目指しましょう。
コレステロールは本当に体に悪いのか?
そもそもコレステロールというものの正体は何なのでしょうか?
コレステロールは脂質のひとつで、細胞膜を作ったり、ホルモンの原料となったり、また、摂取した脂肪の吸収を促進する胆汁酸の原料にもなる体にとって必要な成分なのです。
このコレステロールを全身に運び出し、各組織の細胞に届ける「配達屋」の役割をもつ「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」と、体内の余分なコレステロールを回収する役割の「HDLコレステロール(善玉コレステロール)」の二つがあります。
「LDLコレステロール」は悪玉コレステロールとも呼ばれており、量が増えると血管壁にたまって動脈硬化促進の原因となります。
一方、「HDLコレステロール」は、血管壁についたコレステロールをきれいにする働きをするので、動脈硬化の予防になります。
「コレステロール値が悪い」と言われるのは、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値が高い場合や、血中のHDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い場合、全身に運ばれたコレステロールが血管壁にたまり、動脈硬化を引き起こす可能性があるからです。
LDLコレステロールの基準値の上限は140mg/dl未満に設定されていて、これよりも上になると高LDLコレステロール血症に該当し、日常的に食生活に気をつけなければいけません。
今回は上記の食材に注意した、コレステロールを下げる食事を具体的に取り上げていきたいと思います。参考にしてくださいね。
何を食べればコレステロールは減る?
まずは、コレステロールの正常とされる範囲を具体的に見てみましょう。
コレステロール正常範囲基準値の比較(単位 mg/dL)
HDLコレステロール(善玉コレステロール)
異常 | 要注意 | 基準範囲※ |
29以下 | 30~39 | 40以上 |
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
要注意 | 基準範囲※ | 要注意 | 異常 |
59以下 | 60~119 | 120~179 | 180以上 |
※将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲
参考:日本人間ドック学会 検査表の見方 2018年4月改訂版
動脈硬化などの病気を予防するには、善玉でも悪玉でもコレステロール値をなるべく正常値範囲内にしておくことが大切です。
すでにLDLコレステロール値が高い方は、摂取する食品への注意も必要です。
コレステロールを下げる食品としては、野菜、果物、海藻、魚介類、大豆など。
これらを上手に取り入れた食事を心がけるといいですね。
また、コレステロールが下がりやすくなるお茶もあり、代表的なものが緑茶や紅茶。
麦茶・コーヒー・杜仲茶・ルイボスティーも、効果があります。
40代男性の総コレステロール値及びLDLコレステロール値は、他の年代に比べて、正常値を超えている人の割合が高いといわれています。
これは、20~30代のときに比べて代謝が低下している上、仕事が忙しくなって運動不足になりがちにも関わらず、同じように食べ過ぎていたり、アルコール量が増えたりしているなどが関係しているからだといわれています。
そして、このままの食生活を続けていると50、60代になるに従い、総コレステロール値やLDLコレステロール値が上がり、動脈硬化症などのリスクは高まっていきます。
コレステロールを下げる食事を心がけ、病気になりにくい食生活を送る必要があるのが、よくわかりますね。
積極的に日常の食事に取り入れてみてはいかがでしょう?
食事のレシピ
青魚には血液をサラサラにする効果がある
青魚のEPAやDHAはコレステロールや中性脂肪を下げる効果があり、血液をサラサラにする働きがあります。
また、魚に含まれるビタミンA・Eは、悪玉コレステロールの増加を防ぐ働きがあります。
下記に青魚を使ったレシピの紹介をします。
いわしのハンバーグ(2人用)
用意する材料:いわし3尾、生しいたけ1枚、青ねぎ2本、しょうが1/2片、大根150g程度、青じそ3~4枚、オリーブオイル大さじ1/2、醤油適量
(A)[みそ小さじ1、酒大さじ1/2、片栗粉小さじ1]
1. いわしは頭と内臓を取り除き、水洗いをして開きましょう。中骨と皮を除いてから、包丁で細かくたたいてください。
2. しょうが、しいたけ、青ねぎのみじん切りを(A)と合わせて、それを先ほどのいわしとよく混ぜて合わせます。そして、4等分してから、ハンバーグを形作ります。
3. 大根はすりおろしてから軽く水気を切ってください。青じそは千切りにしておきます。
4. フライパンにオリーブオイルを熱して、ハンバーグを焼いてください。
5. 器に盛りつけて、③を添えてできあがりです。醤油を適量かけてお召し上がりください。
トマトで善玉コレステロールを増やそう
トマトにはリコピンという栄養成分が含まれ、悪玉コレステロールの酸化を抑制し、善玉コレステロールを増加させる作用があります。
下記にトマトを使ったコレステロールを下げる食事のレシピを紹介します。
なすとトマトの炒めもの(4人分)
用意する材料:トマト4個、なす2本、厚揚げ1枚、ごま油大さじ2、オイスターソース大さじ1、にんにくのすりおろし小さじ1、醤油大さじ1/2、砂糖小さじ2、しその葉1、2枚
1. トマト、なす、厚揚げは1口大に切ってください。
2. フライパンにごま油を熱します。そして、なすと厚揚げを炒めてください。
3. なすがしんなりするまで炒めてから、トマトと調味料を全て加えます。ポイントは強め火でさっと絡め合わせることです。
4. しその葉の千切りを盛りつけでき上がりです。
コレステロールを排出する水溶性食物繊維
きのこやオクラ、やまいもなどの食材に含有する水溶性食物繊維に、コレステロールの排泄を促す働きがあるのをご存じでしたか?
これらの食品を使った、コレステロールを下げる食事のレシピの紹介をしていきます。
野菜ときのこの太肉巻き(1人分)
用意する材料:豚肩ロース(脂身なし)60g、黒こしょう少々、ごぼう30g、エリンギ20g、えのきたけ少々、かいわれ大根10g
(A)[濃口醤油小さじ1弱、みりん小さじ1/2、料理酒小さじ1]
1. 豚肩ロースに黒こしょうをふってください。
2. ごぼうは拍子木切りにしてから、下茹でをしてください。
3. エリンギをごぼうと同じくらいの大きさに切ってください。えのきだけの石突を取ります。
4. 耐熱容器にきのこ類を入れます。そして、ラップをしてレンジで加熱。1人分では600Wのレンジで2分程度になります。
5. 豚肩ロースに先ほどのごぼう、エリンギ、えのきたけ、かいわれ大根をのせて巻きます。それにヨウジを刺してとめましょう。
6. (A)の調味料を合わせて準備しておきます。
7. フライパンで⑤の肉巻きをこんがりと焼きます。火が通りましたら、⑥の調味料を加えてから、全体に味がなじむように焼きます。
8. 肉巻きを盛りつけます。(焼きのりで巻いて食べてもおいしいです。)
コレステロールは健康維持に必要な栄養素ともいえますが、LDLコレステロール値が高くなりすぎると動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などの病気になっていく可能性が高くなります。
コレステロールを下げる食事などを日常の食事に取り入れ、健康な体を目指しましょう。
内科医 / 工藤孝文
福岡県みやま市出身。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学、帰国後、大学病院で糖尿病、肥満症などの生活習慣病を専門に修業、現在は、自身のクリニック工藤内科で診療を行う。2017年よりスマホ診療を導入し全国規模でダイエット治療・漢方治療を行っている。
テレビ番組の出演・医療監修、書籍、雑誌やヘルスケア情報サイトの監修など、メディア活動多数。
日本内科学会、日本糖尿病学会、日本東洋医学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、小児慢性疾病指医
引用:「+healthcare」より