卵は食べちゃダメ?コレステロールを下げるポイントは「飽和脂肪酸」


悪玉コレステロール値が気になっている方の中には“コレステロールが多い”といわれる食品を避けている方も多いはず。これらの食品はもちろんですが、実はもっと気をつけた方がいい食品があることをご存じですか?今回はコレステロール値が気になっている方に向けて、控えたい食べ物や、とりたい食べ物について解説します。

卵は食べちゃダメ?コレステロールを下げるポイントは「飽和脂肪酸」

“コレステロールが多い”食べ物だけを気をつけたらいい?

卵、イカ、タコ、魚卵などは、ほかの食べ物に比べるとコレステロールを多く含むので「これらの食品を食べるとコレステロール値が高くなる」「食べない方がいい」とよく耳にします。

昔はこのようにいわれていましたが、実は食品自体に含まれるコレステロールは、そのまま血中コレステロール値に反映されるワケではないんです。このコレステロールが体内で使われるのは2~3割で、残りの7~8割は糖や脂質を材料として肝臓で合成されたコレステロールが使われます。

もちろん、コレステロールが多いといわれる食品をたくさん食べないことも必要ですが、これだけの対策では、思ったような対策にならないことも。コレステロールの合成を促してしまう食べ物や、材料となる食べ物も同時に気をつけていく必要があります。

コレステロール値が気になる方が注意したい「飽和脂肪酸」

飽和脂肪酸という脂質は、体内でコレステロールの合成を促すとされ、摂取量が多いことでコレステロール値が上昇することは数々の研究で明らかになっています。

飽和脂肪酸は主に肉類や、乳製品に含まれています。そのほとんどが「常温で固形」の形をした脂です。「肉の脂身やバターを室温に置いておいても溶けない」とイメージするとわかりやすいかもしれません。

この飽和脂肪酸の摂取量を減らすことが、コレステロール値を下げるためには最も大切といわれています。

飽和脂肪酸はどんな食べ物に含まれる?

飽和脂肪酸は動物性の食品に主に含まれています。コレステロール値が気になる方は、以下の食べ物が多くなっていないか確認してみましょう。

【コレステロール値が気になる方が控えたいものの例】

肉類 豚・牛の脂身、鶏の皮、牛ばら肉、豚ばら肉、ソーセージ、ベーコン
油脂類 バター、ラード(豚脂)、牛脂、マーガリン、ファットスプレッド(チョコレートスプレットなど)
乳類 生クリーム、ホイップクリーム、チーズ、アイスクリーム
菓子類 チョコレート、チーズケーキ、バターケーキ、パイ、タルト、シュークリーム、スナック菓子
調味料類 マヨネーズ、ハヤシルウ、カレールウ

先ほどお伝えしたように「常温で固形の脂」をなるべく避ける…と考えるとわかりやすいでしょう。

肉類は脂身を避けて赤身のものを選び、また洋菓子やスナック菓子は食べすぎに気をつけ、なるべくフルーツやナッツなどの間食を取り入れるようにするといいでしょう。

コレステロールを下げるには、どんなものを食べたらいい?

コレステロール値が気になる方がとりたい食べ物は、青魚や大豆製品、また野菜やきのこ、海藻類です。

青魚や大豆製品には不飽和脂肪酸という脂質が含まれ、コレステロール値を下げるのを助けてくれます。また魚や大豆製品を食べる回数が増えることで、自然と肉類を食べる回数を減らし、飽和脂肪酸の摂取量を減らすのにも役立ちます。

また野菜やきのこ、海藻類、また大豆製品に含まれる食物繊維も十分に摂取しましょう。食物繊維は余分な脂質を吸着して体外への排出を助けてくれるだけでなく、コレステロールから作られる胆汁酸の排泄を促して、コレステロール値を下げてくれる働きがあります。

【コレステロール値が気になる方がとりたいものの例】

魚類 さば、さんま、いわし、ぶり、あじ
大豆・大豆製品 大豆、豆腐、納豆、おから
野菜類 枝豆、ごぼう、かぼちゃ、おくら、ほうれん草、ブロッコリー
きのこ類 しいたけ、エリンギ、しめじ、えのきたけ、まいたけ、なめこ
海藻類 ひじき、わかめ、焼きのり、こんぶ、もずく、めかぶ

これらの食べ物を意識して増やしてみましょう。


コレステロール値が高い状態が続くことで、動脈硬化のリスクの一因となります。食事はもちろん、運動や禁煙などの対策も大切です。生活習慣も振り返ってみて、少しずつできるところから取り組みをはじめてみましょう。

【参考・参照】
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
一般社団法人日本動脈硬化学会 コレステロール摂取に関するQ&A<https://www.j-athero.org/jp/general/5_colqa/>(最終閲覧日:2021/04/10)

管理栄養士 / 広田千尋

これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

引用:あすけん「ダイエットの知識」より

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