貧血におすすめの食材とは? 鉄分が補給できるおすすめのメニューを紹介


貧血におすすめの食材とは? 鉄分が補給できるおすすめのメニューを紹介

貧血は特に女性に起こりやすいと言われ、鉄分の摂取不足が問題視されています。日ごろの生活の中でのだるさや不調が、実は鉄不足から来ているということも少なくありません。

貧血の種類と必要な鉄分

Q. そもそも貧血とはどのようなものですか?

A. 貧血は身体に酸素を運ぶヘモグロビンが少なくなり、身体が酸素不足になることで、大きく4種類に分けられます。ヘモグロビンを作る材料の鉄分が不足することで起こる「鉄欠乏性貧血」、赤血球を作る時に必要なビタミンB12や葉酸の不足によって起こる「巨赤芽球性貧血」、赤血球だけでなく全ての血球が減少する病気である「再生不良性貧血」、過度な運動などにより赤血球が壊れる病気である「溶血性貧血」の4つですね。この中で最も多いのが「鉄欠乏性貧血」なので、今回はこちらに絞ってお話しします。

Q. 貧血にならないために1日にどのくらい鉄分を摂ったらいいのでしょうか?

A. 厚生労働省によると、1日に摂取すると良いとされる鉄分の推奨量は成人女性で6.5mg、成人男性では7.5mgとなっています。

Q. 女性の場合、月経中も同じ量でいいのでしょうか?

A. 月経の時期に血液が失われることによる損失分を考慮して、月経期間中は推奨量が10.5mgに増えます。また、成長期は男女ともに必要量が増えるため、最も多い時期で10mg、月経のある女児は12mgと推奨量は増えます。妊婦も初期は2.5mg、中後期は9.5mg、授乳婦は2.5mgとそれぞれ付加量が定められています。

鉄分の多い食材

Q. 鉄分の摂取量について分かりましたが、そもそも鉄分ってどのような成分なのでしょう?

A. 正式名称は「鉄」と言い、必須ミネラルの一つで、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄とは動物性食品に多く含まれる吸収されやすい鉄のことで、非ヘム鉄とは植物性食品に多く含まれる吸収されにくい鉄のことです。

Q. それぞれの鉄が多く含まれる食材について教えてください。まずはヘム鉄からお願いします。

A. 動物性食品の中でもレバーや赤身肉、あさりなどに多く含まれています。1食当たりの量で見ると、豚レバー(50g)6.5mg、鶏レバー(50g)4.5mg、牛赤身肉(100g)2.8mg、あさり(50g)1.9mg、かつお(50g)1.0mgとなります。豚レバーなど1日の中で1回取り入れるだけで推奨量を補うことが可能なものもあります。

Q. 非ヘム鉄の多い食材には何がありますか?

A. 植物性食品のなかでは豆製品、小松菜、ほうれん草などに多く含まれています。1食当たりの量で見ると、納豆(50g)1.7mg、豆腐(小1パック150g)1.2mg、小松菜(1/3束30g)0.9mg、茹でレンズ豆(20g)0.9mg、ほうれん草(1/3束30g)0.7mg、乾燥ひじき(1g)0.6mgとなります。毎日の食生活では植物性食品の方が取り入れやすいのですが、ヘム鉄と比べて吸収率が悪いので、食べ方に工夫が必要です。

Q. 吸収が良くなる食べ方があるのでしょうか?

A. ビタミンCを一緒に食べることで吸収されやすくなります。特に非ヘム鉄は吸収率が低いので、組み合わせることで吸収率がアップします。また、たんぱく質は赤血球の材料にもなるほか、鉄と結びついて吸収を促進します。ヘム鉄を多く含む食材はたんぱく質も多いので、それらを積極的に取り入れることがおすすめです。ヘム鉄を毎日摂取するのが難しい場合は、非ヘム鉄と一緒にビタミンCが多く含まれる野菜や果物を献立に取り入れると効率的に摂取できます。

Q. 逆に一緒に食べない方がいいものはありますか?

A. 非ヘム鉄はタンニンを一緒に摂ることで吸収が阻害されてしまいます。具体的にはコーヒー、緑茶、紅茶に多く含まれているため、食事中はこれらの飲み物を避け、飲みたい場合は食後2~3時間ほど時間をおくようにしましょう。

効率的に鉄分を摂取できるメニュー

Q. 鉄分を摂るのに最も効率的なメニューはなんですか?

A. ヘム鉄を多く含むレバーを使用したものがおすすめです。特に豚レバーは1食分で1日に必要な量のほとんどを補えるので積極的に取り入れましょう。レバニラは豚レバーに加えて比較的鉄の量が多いニラも摂取できます。

Q. 牛赤身肉のおすすめのメニューも教えてください。

A. 牛赤身肉のメニューでは青椒肉絲がおすすめです。ピーマンにはビタミンCが多く含まれているので吸収率が上がります。また、ブロッコリーやパプリカ、菜の花などもビタミンCが多いので組み合わせとしてはおすすめです。炒め物のほかにもローストビーフと合わせてサラダにするのも良いでしょう。

Q. 豆製品を使ったものでおすすめはありますか?

A. 納豆や豆腐は含有量が多いだけでなくそのまま食卓に並べることができて取り入れやすい食材です。納豆の組み合わせとしてはビタミンCが多い万能ねぎを薬味としてたっぷり使う、良質なたんぱく質を含む卵と混ぜる、オムレツにするなどが効果的です。また、豆腐はゴーヤーチャンプルにするとゴーヤーから鉄分やビタミンCが摂れますし、豆腐ハンバーグや麻婆豆腐、肉豆腐などたんぱく質との組み合わせもしやすいのでおすすめです。 他にも含有量の多いレンズ豆はサラダやスープの具材として取り入れやすい食材なのでおすすめです。

Q. ビタミンC を一緒にとるにはどうしたらいいでしょうか?

A. ビタミンCは熱に弱いので、主菜に組み合わせる時はできるだけ加熱時間を短くし、副菜として食べる場合はサラダやデザートとして食べると良いでしょう。また、パプリカやかんきつ類はミキサーにかけてドレッシングにもできるので、それをたっぷりかけるのもおすすめです。


川島尚子(管理栄養士)

管理栄養士として料理教室講師、メニュー開発に従事。その後パティシエに転向し、現場でのお菓子製造や商品開発に従事。現在はフリーランスの管理栄養士兼パティシエとしてアレルギー対応やグルテンフリーなども含めた幅広いレシピ提案やオーダーメイドのスイーツ制作に携わっている。


引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より

※記事内容は執筆時点のものです。
免責事項(Medical DOCサイトへ)

医師への24時間相談サービス 詳しくは「first call」へ

このコラムを読んだ方におすすめのアプリ

医師への24時間相談サービス

相談し放題になる、「dヘルスケア」有料利用についてはこちら

健康に関するちょっとした相談にも、医師が丁寧に回答。チャットで24時間気軽に医師に相談できます。