更年期対策のための食事・栄養素は?避けるべき食品や生活習慣を管理栄養士が解説
40~50代で現れる辛い更年期障害。少しでも軽減するために、普段の生活で何かできることはないか気になる方もいるでしょう。そこで今回は更年期の方が気を付けたい食生活や積極的に摂るべき栄養素について解説します。
更年期の女性に起こる体の変化は?
Q. 更年期とはどのような時期のことですか?
A. 更年期とは、閉経を迎える時期の前後10年間のことを言います。「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌が減少することが原因で、ホルモンバランスが崩れ、体の変化や不快な症状が現れやすくなります。
Q. 更年期にはどのような症状が現れますか?
A. 代表的な更年期の症状は、のぼせ、汗をかきやすい、肩こり、疲労感、冷え性、腰痛、関節痛、イライラ、不眠などです。また、エストロゲンが減少すると、骨粗しょう症のリスクが高まります。
Q. 女性ホルモンが減少すると、なぜ骨粗しょう症になるのですか?
A. エストロゲンは骨の形成を促す働きがあります。骨量は、成長期に増加して20歳頃にピークを迎え、少しずつ低下していきます。更年期になり、エストロゲンの分泌が減少することで骨形成が促進されず、骨折の原因になります。
更年期の女性が積極的に摂るべき栄養素・食事は?
Q. どのような食生活を心がけるといいですか?
A. 食生活で大切なことは、1日3回のバランス良い食事を心がけることです。毎食、主食:副菜:主菜=3:2:1となるようなイメージで献立を立てると、体に必要な栄養素をバランスよく摂ることができます。
Q. 特に更年期に摂ったほうが良い栄養素はありますか?
A. 女性ホルモンと似た働きがある「大豆イソフラボン」は、積極的に取りたい栄養素です。また、骨の形成には、カルシウムやビタミンD、Kが必要です。そのほかには、代謝に必要な筋肉を作るたんぱく質や腸の働きを整える食物繊維も大切です。
Q. 具体的にどのような食事を摂ればいいですか?
A. 魚や大豆製品、乳製品、野菜・果物類を食べるようにしてください。魚料理を積極的に取り入れ、副菜として野菜や大豆製品を小鉢1~2皿程度、おやつや飲料として果物や乳製品を摂りましょう。これらを意識することで、先ほど説明した栄養素をバランスよく摂ることができます。
Q. 食事以外に生活で気を付けた方が良いことはありますか?
A. 適度な運動と十分な睡眠を心がけましょう。適度な有酸素運動やウォーキングなどの軽い運動は、更年期の症状を和らげる効果があります。また、十分な睡眠も大切です。睡眠不足はストレスや不調の原因になります。
更年期障害の辛い症状を悪化させないために避けた方がいい食べ物は?
Q. 更年期に、食生活で気を付けることはありますか?
A. 偏った食事や不規則な生活は避けましょう。特に糖質やアルコール類、カフェインは摂りすぎに注意が必要です。糖質の摂りすぎにより血糖値のコントロールが乱れると、自律神経の乱れや食事の栄養バランスが崩れるなどの可能性があります。また、過度な飲酒は、肥満や骨粗しょう症の原因になり、カフェインは睡眠を妨げるリスクがあります。
Q. 症状を悪化させないために避けたほうが良い食品はありますか?
A. 嗜好品である菓子パンや甘いデザート類、炭酸飲料は控えめにしましょう。また、お酒やコーヒー、エナジードリンクも適量を守って飲むことが大切です。
Q. 甘いものやお酒、コーヒーを摂りたい時はどうしたらいいですか?
A. もちろん、更年期障害に良くないからと言って、好きな食べ物の我慢や無理は禁物です。適量を守って内容を工夫しながら、付き合っていきましょう。甘いものを食べたくなったら、菓子パンやデザートの代わりにフルーツやヨーグルトなど、カロリーと糖質の低いものを選びましょう。また、コーヒーはできるだけ無糖を選び、1日2杯程度であれば飲んでも大丈夫です。お酒は量を控えめにして肝臓を休める「休肝日」を設けるなど、飲む頻度にも注意していきましょう。
牧 咲(管理栄養士)
管理栄養士 / 食事健康系ライター / 離乳食アドバイザー / 妊産婦食アドバイザー。大分県、茨城県内の医療施設(急性期病院・回復期病院)、介護施設に6年間勤務。栄養管理業務、栄養指導、レシピの提案、食や健康に関する情報発信を行ってきた。現在は、フリーランスとして、レシピの提案やコラム執筆、離乳食のアドバイスなどを行う。
引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より
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