有酸素運動で高血圧って改善するの?高血圧の改善には1日何時間の運動が良いの?医師500人に聞いてみました
本調査では、まず有酸素運動による高血圧の改善は見込めるか聞いたところ、「多少見込める」との回答が一番高く、次に「大いに見込める」、「あまり見込めない」が続きました。結果からは、9割近くの医師が有酸素運動で高血圧の改善は見込めると考えているのが分かります。ウォーキングなどの有酸素運動をすれば、肥満・ストレスが解消され、血圧の改善も見込めるそうです。続いて、高血圧の改善のために行う運動は1日にどれだけの時間行うと良いか質問したところ、「30分程度」と回答している医師が一番多く、次に「20分程度」、「1時間程度」が続きました。医師の過半数が1日に「30分程度」の運動は高血圧の改善には適していると考えており、まずは無理のない30分程度から始めてみてはいかがでしょうか。
高血圧をなんとか改善させたい…。
そんな思いで、日々努力や工夫をしている方も多いのではないでしょうか。
食生活を見直してみたり、規則正しい生活を送るように気をつけたり、色々な方法があると思います。
中には運動に取り組まれているという方もいるはずです。
一般的に運動は健康に良さそうなイメージがありますよね。
では実際に、医師の目から見ても運動は高血圧の改善に適しているのでしょうか。
また、具体的に1日にどれぐらい運動すればいいのでしょうか。気になる人も多いと思います。
そこで今回は、一般内科、総合診療、循環器内科医500人に、有酸素運動で高血圧は改善するのか、高血圧の改善には1日何時間の運動が良いのか聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年10月3日~2018年10月4日にかけて行われ、一般内科、総合診療、循環器内科医500人から回答を頂きました。
有酸素運動で高血圧は改善するの?
まずは、「有酸素運動による高血圧の改善は見込めますか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
・大いに見込める
・多少見込める
・あまり見込めない
・ほとんど見込めない
以下のグラフが結果となります。
集計結果では、「多少見込める」との回答が60%と一番多く、次に「大いに見込める」、「あまり見込めない」が続きました。
「多少見込める」と「大いに見込める」を合計すると9割近くの医師は有酸素運動で高血圧の改善は見込めると考えているのが分かります。
まずは有酸素運動という言葉をおさえてから、医師のコメントを見ていきましょう。
有酸素運動とは
有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、エアロビクス、サイクリング、水泳など、長時間継続して行う運動を指します。これらの運動は、運動中に筋を収縮させるためのエネルギー「アデノシン三リン酸(ATP)」を、体内の糖や脂肪が酸素とともに作り出すことから、有酸素運動と呼ばれます。
引用:有酸素運動|長寿科学振興財団
肥満・ストレスの解消にもなる有酸素運動は高血圧に有効
・60代男性 一般内科 「多少見込める」
運動の効果および肥満の解消は有効と思われます。
・30代男性 一般内科 「多少見込める」
運動不足の方が行う場合は意味があると思います。
・50代男性 一般内科 「多少見込める」
ある程度は認めます。しかし、一定以上の運動量が必要です。
・50代男性 一般内科 「多少見込める」
体重減少すると血圧もそれなりに下がります。
・30代女性 一般内科 「多少見込める」
有酸素運動で体重が減る効果が大きいと思います。
・50代男性 一般内科 「多少見込める」
運動可能な血圧になってから、体重減少できる程度の運動は効果があると思います。
・50代男性 一般内科 「多少見込める」
運動だけではないですが、生活習慣の改善で良くなった人はいました。
・60代男性 一般内科 「多少見込める」
筋肉をつけて代謝を上げるためには有用と思います。
・50代男性 一般内科 「多少見込める」
ウォーキングなどの有酸素運動が良いと思います。
・40代男性 一般内科 「多少見込める」
運動する習慣をつけるのが、容易ではないようです。
・40代女性 一般内科 「多少見込める」
ストレスを軽減するなど、減量効果があります。
・40代男性 一般内科 「多少見込める」
運動してもそれ以上に食べてしまえばあまり意味がないです。
・50代女性 一般内科 「多少見込める」
有酸素運動そのもの、および一緒に行われる食事療法、減量で効果が望めます。
医師の回答を見ると「多少見込める」との声が多数挙がっていました。
有酸素運動で血圧の改善が見込める理由として、主に以下のようなものが挙げられました。
・肥満の解消になる
・筋肉がついて代謝が上がる
・ストレスを軽減できる
普段あまり運動していない方の場合、特に効果が望めるようです。具体的な運動方法としては、ウォーキングが良いとの意見がありました。
ただ運動する習慣をつけることは容易ではないそうなので、最初は大変かもしれませんね。
また、有酸素運動と併せて生活習慣も改善すると、さらに効果も望めるようです。食事療法も良いとの指摘がありました。医師のコメントにもありましたが、運動した以上に食べ過ぎないように注意したいですね。
有酸素運動で血管も拡張され、十分に期待できる
・60代男性 一般内科 「大いに見込める」
軽度の有酸素運動は必要です。
・60代男性 一般内科 「大いに見込める」
とにかく歩きましょう。
・40代女性 一般内科 「大いに見込める」
体重が落ちれば良いと思います。
・50代男性 一般内科 「大いに見込める」
有酸素運動で血管を拡張させる事は有効だと思います。
・60代男性 一般内科 「大いに見込める」
少しでも運動の継続が大事です。
・60代男性 一般内科 「大いに見込める」
ウォーキングは効果あると思います。
・40代男性 一般内科 「大いに見込める」
体力や筋力もつき、心肺機能が改善すれば御の字です。
・30代男性 一般内科 「大いに見込める」
適度な負荷であれば、十分期待できると思います。
・50代男性 一般内科 「大いに見込める」
体重が減るし、一酸化窒素の影響で血管がしなやかになります。
・50代男性 循環器内科 「大いに見込める」
運動直後でもかなりの血圧低下が生じます。日常的に運動を行うことは、体重増加抑制など血圧以外にも良い影響を持ちます。
・40代女性 一般内科 「大いに見込める」
有酸素運動により適正体重になり治療が不要になることはよくあります。
次にコメントで多かったのは、「大いに見込める」との意見です。
「多少見込める」にて紹介したものと同様に、有酸素運動が血圧の改善に効果があるとの医師の意見が多くありました。
新しく述べられた有酸素運動のメリットとしては、血管を拡張させる効果があることや、一酸化窒素の影響で血管がしなやかになることなどが挙げられました。
具体的な有酸素運動の方法は、ここでもウォーキングが多くの医師から推奨されていました。
やはり少しでも運動を継続できるかどうかが大切なようなので、自分が続けられる範囲の強度で頑張ってみましょう。
高血圧の改善には1日何時間の運動が良い?
続いて「高血圧の改善のために行う運動は1日にどれだけの時間行うと良いですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
・10分程度
・20分程度
・30分程度
・1時間程度
・1時間以上
以下のグラフが結果となります。
こちらの調査では、「30分程度」と回答している医師が56%と一番多く、次に「20分程度」、「1時間程度」が続きました。
調査に参加した医師の過半数は、1日に「30分程度」の運動が高血圧の改善に適していると考えているのが分かります。
それでは医師のコメントを見ていきましょう。
30分程度のウォーキングから始めてみよう
・60代男性 一般内科 「30分程度」
30分ぐらいのウォーキングが良いと思います。
・50代男性 一般内科 「30分程度」
汗ばむ運動で30分以上がいいです。
・50代男性 一般内科 「30分程度」
無理のない範囲で行うべきです。
・30代女性 一般内科 「30分程度」
ゆっくり動いて汗が出る程度がいいでしょう。
・50代男性 一般内科 「30分程度」
最低でも30分のウォーキングが週3回は必要です。
・50代男性 一般内科 「30分程度」
30分から始めて1時間程度定期的な運動が良いと思います。
・40代男性 循環器内科 「30分程度」
何か月も何年も継続できる程度がよいです。
・70代男性 一般内科 「30分程度」
高血圧は高齢者が多く、その改善のために行う運動は1日に30分程度に控えています。
・40代男性 一般内科 「30分程度」
30分程度が続けられていいでしょう。
・50代男性 一般内科 「30分程度」
この程度の時間の毎日運動が重要です。
・40代男性 一般内科 「30分程度」
高血圧に糖尿病や脂質異常を合併している方に良いと思います。
・50代男性 循環器内科 「30分程度」
週1回30分以上のエアロビクス的運動を指導しています。
・60代男性 一般内科 「30分程度」
週3回、1日30分程度の有酸素運動の履行が継続可能でしょう。
・50代男性 一般内科 「30分程度」
ウォーキング、ジョギング程度で十分です。
一番多く見られたコメントは、「30分程度」というものでした。
30分という時間を医師の方が勧める理由としては、継続して運動を行うために無理のない時間だという意見が多くありました。
最終的には1時間ぐらいの運動を推奨する声もあり、大丈夫そうな方は、少しずつ無理のない範囲で負荷を上げていってもよさそうですね。
具体的な有酸素運動としては、主にウォーキング、ジョギング、エアロビクスが挙がっていました。
激しい運動である必要はなく、ゆっくり動いて汗が出る程度でいいみたいです。
また、高血圧に糖尿病や脂質異常を合併している方に対しても、これらの有酸素運動はお勧めというコメントもみられました。
一方で、高血圧は高齢者の方に多い傾向があるので、体の負荷も考えて30分という時間を推奨する医師の方もいました。まずは無理がなさそうな30分の運動から始めてみてはいかがでしょうか。
理想的には1時間程度の運動が良い
・40代男性 一般内科 「1時間程度」
1時間程度が理想的です。
・50代男性 一般内科 「1時間程度」
30分を2回でも良いです。
・60代男性 一般内科 「1時間程度」
炎天下と寒い時は避けて欲しいです。
・40代男性 一般内科 「1時間程度」
1日1時間程度がベストです。
・60代男性 一般内科 「1時間程度」
きつい運動はよくないので、半時間から1時間程度継続できる運動が望ましいかと思います。
・50代男性 一般内科 「1時間程度」
筋トレなら40分くらい週2、3回がいいでしょう。ランニングならゆっくり60分、週2回ぐらいでしょうか。自分の患者には 12種類の筋トレを1分ずつ(12分)した後、時速7-8kmでゆっくり1時間走るように指導しています。
・60代男性 一般内科 「1時間程度」
連続しなくても良いという条件で、このくらいが望ましいです。
・40代男性 一般内科 「1時間程度」
最低30分、可能なら1時間が理想的です。
次にコメントで気になったのは、「1時間程度」との意見です。
必ず1時間以上でなければダメというわけではなく、可能であれば1時間以上の運動を目指しましょうとの意見が大半でした。
また、1時間の運動も連続して行う必要はなく、30分を2セットやるなど工夫をしても良いようです。
具体的な運動のプランも例として医師が提示していました。以下を参考にしてみましょう。
・筋トレは40分程を週2~3回
・ランニングはゆっくり60分を週2回
・12種類の筋トレを1分ずつ(12分)した後、時速7-8kmでゆっくり1時間走る
1時間の場合もきつい運動はする必要はないようなので、自分で継続しやすい運動の負荷に調整すると良さそうですね。
運動する際の注意点ですが、炎天下と寒い時は避けるようにとの意見もありました。体力に不安がある際は注意するようにしましょう。
有酸素運動は、高血圧の改善が見込める。1日30分の運動から続けてみましょう。
本調査では、まず有酸素運動による高血圧の改善は見込めるか聞いたところ、「多少見込める」との回答が一番多く、次に「大いに見込める」、「あまり見込めない」が続きました。
有酸素運動をすれば肥満の解消が考えられ、筋肉も付くので代謝が上がるようです。加えてストレスの軽減も期待できるようでした。更には血管も拡張されるそうで、これら複数の効果から血圧改善も見込めるようです。
続いて、高血圧の改善のために行う運動は1日にどれだけの時間行うと良いかという質問については、「30分程度」と回答している医師が一番多く、次に「20分程度」、「1時間程度」が続きました。
理想的には1時間を推奨する医師もいましたが、大事なのは継続した運動のようで、まずは30分の運動から始めてみるのが大事そうですね。
運動と聞くと大変なイメージもありますが、有酸素運動はウォーキングなど、普段の生活でも馴染みのある運動が含まれます。きつい運動をする必要はないので、個々の継続しやすい運動を生活に取り入れてみましょう。
引用元:イシコメ 医師と患者をむすぶメディカルサービス
https://ishicome.medpeer.jp/entry/1627