高血圧の予防と対策にも最適なウォーキング


高血圧の予防と対策にも最適なウォーキング

「まさか自分がなると思わなかったけど、高血圧と診断されてしまった…」という人も多いのではないでしょうか?高血圧は初期には自覚症状がなく、健康診断などで診断されるか、または症状が進行し悪化してから自覚するケースがあります。年齢別に患者数の割合を見てみると、年齢が上がるにつれて高血圧患者の割合が高くなっています。高血圧は他の病気の併発にもつながるので、すぐにでも生活習慣の見直しをすることをおすすめします。そこで、今回は高血圧の予防や対策を紹介します。

そもそも高血圧って?

高血圧とは、血管(内壁)への圧力が一定以上に高く続く状態のことです。
病院で測定する場合は最大血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上か、最小血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上あるときに、高血圧と診断されます。
ただ、病院では緊張したりして通常より血圧が高く出てしまうこともあるので、最近ではリラックスできる自宅での計測をする人も増えてきました。自宅で計測する際の基準値は、最大血圧(収縮期血圧)が135mmHg以上、あるいは最小血圧(拡張期血圧)が85mmHg以上の場合です。自宅なら毎日計測ができ、自分の血圧の日々の変化がわかるので、高血圧と診断された方は、自宅での測定を始めてみましょう。
高血圧が進行して怖いのが、動脈硬化です。動脈硬化になると脳や心臓の血管障害がおこりやすくなり、脳卒中,心筋梗塞,腎不全といった合併症を引き起こす場合もあります。

詳しく知っておこう!高血圧の原因と症状

高血圧になっても、原因が特定できない場合がほとんどで、その場合「一次性高血圧(または本態性高血圧)」と呼ばれます。「一次性高血圧」の要因としては、遺伝的体質や塩分の摂り過ぎ、運動不足、睡眠不足、たばこ、飲酒などの生活習慣があげられます。
逆に、原因がはっきりしているのが「二次性高血圧」です。これは腎臓病やホルモン異常といった別の病気が高血圧を引き起こしている場合です。
高血圧の初期は自覚症状がほとんどありません。なので、自宅で毎日血圧を測ることが、重要となってきます。

日常生活でできる予防・対策はコレ!

血圧を下げるには、まずは食事や運動などの生活習慣の改善をしましょう。高血圧だと、よく「塩分を控えましょう」と言われますよね。塩分(ナトリウム)が濃い食事に慣れている人は、味が薄いと感じるぐらいが適しています。薄さに慣れることが高血圧解消の第一歩。
「高血圧治療ガイドライン2014」では減塩目標は、1日6g以下とされています。薄味に慣れることで、今後塩分を理由に高血圧になるのを防ぐことができますよ。
また、飲酒の習慣も高血圧の原因になります。男性なら1日およそ日本酒1合、またはビール中瓶1本程度にしましょう。女性ならその半分です。

高血圧に適した運動とは?

食事とともに重要なのが、定期的な運動。特に有効なのがウォーキングをはじめとした有酸素運動です。体に酸素を取り込みながら行う有酸素運動は、筋肉を強くし、心肺機能をアップさせてくれるため、血流を良くしてくれます。
ウォーキングといっても、ただ歩くのではなく速歩きを取り入れましょう。どれくらいの速歩きかというと「なんとか会話ができる程度」で、いつもより速く歩くことを意識してみてください。
激しい運動は逆に、血圧をあげてしまうので控えるようにしましょう。

高血圧の予防に適したウォーキング量はどれくらい?

では、高血圧の予防に適したウォーキングとは、どれくらいの量でしょうか。「1日8,000歩・速歩き20分」を目安にしましょう。ウォーキング時間中に「8,000歩・速歩き20分」ではなく、1日全体で「8,000歩・速歩き20分」行えばいいと言われています。(参考:あらゆる病気を防ぐ「一日8000歩・20分」健康法 医学博士 青栁幸利 著)
日本人の1日の平均歩数は男性7,194歩、女性6,227歩(「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」より)ですから、1日の歩数が平均の人ならば、普段の生活に1,000歩~2,000歩多くすることで、高血圧の予防ができます。
この運動を継続することが重要です。無理に運動する時間を作るというよりはむしろ、日常生活の中で、歩数・速歩きを取り入れてみましょう。たとえば、エスカレーターではなく階段を使ったり、ちょっと離れた駐車場に車を止めたり。また、「毎日必ず8,000歩・速歩き20分しよう」と思わず、歩数が足りなかった日は別の日でカバーして、平均して達成できればいい、ぐらいの気持ちでいた方が、長く続けられます。
また、すでに高血圧になっている方でも、運動することで塩分を排出し、血圧を下げる効果が期待できます。運動することで利尿作用が働き、ナトリウムの排出を促進してくれます。
高血圧は塩分(ナトリウム)を減らす、ウォーキングをするなど、特別な道具を使わずに今すぐ対策ができます。高血圧が気になる人は、生活習慣の改善が重要ですので、ぜひ今日から実践してみてはいかがでしょうか?

医学博士 / 青柳幸利

1962年 群馬県中之条町生まれ 群馬県中之条町に住む65歳以上の全住民5,000人を対象に、十数年にもわたり、身体活動と病気の予防の関係についての調査(中之条研究)を実施。 高齢者の運動処方ガイドラインの作成に関する研究に従事し、様々な国家的、国際的プロジェクトに主要メンバーとして携わる。
医学博士(筑波大学卒業、トロント大学大学院医学系研究科博士課程修了)
東京都健康長寿医療センター研究所老化制御研究チーム 副部長

引用:「+healthcare」より

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