おへそのゴマは取るべき?3700人の医師に真面目に質問してみた
おへそのゴマは基本的に放置して構いません。体の他の部分と同様、普段からお風呂で軽く洗っていれば問題ないようです。取るにしても、あまり強く刺激しすぎると、感染症等のリスクが増すので気をつけましょう。
みなさんは、おへそのゴマを意識したことはありますか。
おへそのゴマとは、へそに溜まった汚れのことですが、へそに汚れが溜まっていると感じたら掃除した方が良いのでしょうか。
しかし、へそはあまりいじってはいけないという話も耳にします。
そこで今回は、「(患者の)へそのゴマは取るべきですか?」と3697人の医師にアンケート調査を行いました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2014年7月30日から同年8月5日にかけて行われ、3697名から回答をいただきました。
医師の7割が「基本的には放置」
アンケートの結果、7割を超える医師が「基本的には放置し、必要に応じて除去する」と回答しました。
また、男女別で回答を比較してみたところ、以下のようになりました。
とくに違いは見られないようです。
女性の医師だからといって、特にキレイにしてあげる傾向があるわけではなさそうです。
“必要に応じて”は「炎症」や「患者の要望」
では、「必要に応じて除去する」のはどんなときなのでしょうか。
医師からのコメントを紹介します。
・30代男性 形成外科医
汚れによる雑菌の繁殖等で臍炎(さいえん)に至るなどすれば明らかに治療対象となります。そうならないための掃除もするべきですが、通常は普段の入浴で十分清潔を保つことが可能です。
・30代男性 アレルギー科医
たまった汚れが原因で感染症を起こすようなら除去すべきでしょうね。また、臍(の周辺等)を手術で切開する場合などは感染の原因になるので、事前に清潔にしておく必要があります。
おへその部分が赤くなるなど、明らかに炎症を起こしている場合以外は「入浴時に普通に洗ってれば取る必要はない」とする医師がほとんどでした。
また、入院患者等から掃除を依頼された時や手術前などは、看護師が掃除してあげることもあるようです。
むしろ触り過ぎはNG
むしろあまり触らない方がいいとする意見も多く見られました。
・30代男性 小児科医
あまり頻繁に除去していると、刺激によって腹腔内と外界を隔てる部分が薄くなってしまいます。結果的に腹腔内感染(お腹の中にウイルス等が侵入すること)のリスクが高まると思います。
・40代男性 一般内科医
へそのケアはあまり行わないほうが良いと思います。傷がつくなどし、かえって細菌感染などのリスクを高めると思われます。
おへそは皮下脂肪なども薄く、お腹の中との距離が非常に近くなっている場所です。
あまりに触りすぎると傷がつき、感染症を起こしてしまう可能性もあります。
そういったリスクを踏まえ、あまり触らない方がいいとするコメント多く届きました。
見つけ次第取る理由は「炎症を防ぐため」
「積極的(垢が見つかり次第)除去」と回答した医師のコメントを見ると、理由には
・60代男性 一般内科医
不潔感があるので、できるだけ取ります。鼻先に、鼻くそがついているのと同じです。
といった意見もちらほらありましたが、ほとんどは「感染症を未然に防ぐため」とするものでした。
また、除去の方法も「普段から洗ってればそれで十分除去できる」とする医師が多く、無理に取ろうとする必要は無いようです。
どうしても取りたい場合はオリーブオイルで柔らかくしてから
すでに大量のゴマがおへそにたまってしまっている場合や、どうしても気になる場合などは丁寧に除去してあげれば問題ないようです。
その際の除去の仕方は多くの医師が「オリーブオイルで柔らかくしてあげる」とコメントしました。
・50代女性 一般内科医
初期研修時(研修医時代)に、オリーブ油で軟らかくしてから取ると教わったことがあります。
・50代男性 消化器外科医
手術のときにはオリーブ油をつかって浮かせてから(綿棒で)除去していたかと思います。
・50代男性 一般内科医
私自身、入浴した際にオリーブオイルと綿棒で除去しています。
お肌用のオリーブオイルを綿棒に塗り、それを使っておへそに薄く塗ってあげてください。
おへそのゴマにオリーブオイルが染み込み、柔らかくなったら優しくこすって上げれば、簡単に除去できるようですよ。
基本的には放置で大丈夫。洗うときはお風呂で。
結論として、おへそのゴマは特に放置して問題ないようです。
ただし、普段からオフロに入った時に、身体の他の部分と同様に軽く洗うようにしておくと良いようです。
無理に取ろうとすると感染症を起こすリスクがあるので、取りたい場合はオリーブオイルを使って柔らかくしてから、優しく取ってあげてくださいね。
引用元:イシコメ 医師と患者をむすぶメディカルサービス
https://ishicome.medpeer.jp/entry/860