冷えによって腹痛を起こすことはある?予防法は?医師523名に聞いてみました


冷えによって腹痛を起こすことはある?

本調査の結果、「冷えによって腹痛を起こすことはありますか」という質問に対し、肯定的な回答をした医師が75%となりました。このように回答した医師からは、冷えによる血行障害、腸管の萎縮・痙攣、蠕動低下、循環不全で痛みが生じるとの見解が得られました。一方で否定的な見解を示した医師からは、「単純に体幹を冷やすことによって腹痛が起こることはあり得ず、冷たい飲料を多飲したら腹痛になりえる」とのコメントを頂いています。続いて、「冷えによる腹痛を日頃から予防できる最も良い方法は何ですか」という質問では、「冷たい飲み物を避ける」との回答が最も多く、次に「エアコンの風に直接当たらないようにする」、「暖かい飲み物を飲む」が続きました。それぞれの回答のコメントをまとめると、冷たいものを大量かつ持続的に飲むのは控えた方が良く、エアコンの温度調整や、温かい飲み物を飲むなど、お腹の内側や外側に関わらずとにかく冷やさないことが大事なようでした。冷えによる腹痛にお悩みの方は、一度試ししてみてはいかがでしょうか。

身体が冷えると腹痛を起こす、そう聞いたことはありませんか?
インターネット上などでも身体の冷えと腹痛は関係しているとのうわさを目にしますが、それは本当なのでしょうか。
また、もし身体の冷えによって腹痛が起きるならば、日頃からできる予防法についても知っておきたいところです。

そこで今回は、医師523名に冷えによって腹痛を起こすことはあるのか、冷えによる腹痛を日頃から予防できる良い方法は何か聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年9月4日に行われ、一般内科医、消化器内科医、消化器外科医、総合診療科医の523名から回答を頂きました。

冷えによって腹痛を起こすことはある?

まずは、「冷えによって腹痛を起こすことはありますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

・大いにある
・ときどきある
・あまりない
・ほとんどない

以下が結果となります。

冷えによって腹痛を起こすことはある?

40代男性 消化器内科 「ときどきある」
急性腸炎の場合は冷えが影響あると思います。

50代男性 一般内科 「ときどきある」
虚弱体質や高齢者などにおいてあると思います。

30代男性 消化器内科 「ときどきある」
冷えると腸管の痙攣が起こるからです。

60代男性 消化器外科 「ときどきある」
腹部が冷えれば血行障害による腸管の萎縮などで痛みが出ることが多いです。

50代男性 一般内科 「ときどきある」
腸管の蠕動低下による痛みを訴える方はいると思います。確定診断は難しいですが。

50代男性 一般内科 「ときどきある」
循環不全や腸蠕動の影響があると思います。

50代男性 一般内科 「大いにある」
血行障害による神経痛があります。

50代男性 消化器外科 「大いにある」
腸管の運動が悪くなり起こることがあると思います。

50代男性 一般内科 「大いにある」
腸の動きが強くなりすぎるためだと思います。

50代男性 消化器外科 「あまりない」
治療するような重篤な疾患とは特に大きな関係はないと思います。

50代男性 消化器外科 「あまりない」
医学的根拠はないと思います。

50代男性 消化器内科 「ほとんどない」
単純に体幹を冷やすことによって腹痛が起こることはあり得ず、冷たい飲料を多飲したら腹痛になりえるでしょう。

調査の結果、冷えによって腹痛を起こすことはあると肯定的な回答をした医師が75%(「ときどきある」55%、「大いにある」20%)となり、否定的な回答をした医師が25%(「あまりない」17%、「ほとんどない」8%)という結果になりました。
肯定的な回答をした医師からは、身体の冷えによる血行障害から腸管の萎縮・痙攣、蠕動低下、循環不全が起こり、痛みが生じるとの見解が得られました。

しかし「腸の動きが強くなりすぎるため」と考える医師もいることから、腸の働きが低下するのか、または強くなるのかについては医師のなかでも意見が分かれるようです。

さらに、冷えによる腹痛は虚弱体質や高齢者において起こると述べた医師もいることから、該当する方は特に注意が必要ですね。
なかには、「急性腸炎の場合は冷えが影響する」との声も。冷えてお腹が痛くなった場合は、急性腸炎の可能性も考えられそうです。

一方で否定的な回答をした医師からは、「治療するような重篤な疾患とは特に大きな関係はない」とのコメントが寄せられました。
もし冷えて腹痛が起きても、重篤な疾患である可能性は低いようです。

また、「単純に体幹を冷やすことによって腹痛が起こることはあり得ず、冷たい飲料を多飲したら腹痛になりえる」と考える医師もいらっしゃいました。
冷たいものを多く摂取した場合などは腹痛を引き起こすこともあるようですし、量にも注意した方がよいかもしれません。

さて、今回の調査では半数以上の医師があり得ると考えていた冷えによる腹痛ですが、予防法はあるのでしょうか。こちらも聞いてみました。

冷えによる腹痛を予防する方法とは?

続いて、「冷えによる腹痛を日頃から予防できる最も良い方法は何ですか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

・冷たい飲み物を避ける
・エアコンの風に直接当たらないようにする
・温かい飲み物を飲む
・適度な運動をする
・カイロや毛布などでお腹を温める
・身体をきつく締め付けるような衣服を避ける
・楽な姿勢をとる
・その他
・リンパマッサージをする

以下が結果となります。

冷えによって腹痛を起こすことはある?

50代男性 消化器内科 「冷たい飲み物を避ける」
冷たい物を避けるのが重要かと思います。

40代男性 一般内科 「冷たい飲み物を避ける」
常温か温かい飲食物を摂取するのが簡単な予防法です。

50代男性 総合診療科 「冷たい飲み物を避ける」
例えば熱中症予防のための水分補給においても水分補給は重要でありますが、あまりに冷えた飲み物を飲む事は避けるべきであると指導していました。

50代男性 一般内科 「冷たい飲み物を避ける」
冷たいものを大量かつ持続的に飲むのは控えた方が良いと思います。

50代男性 一般内科 「エアコンの風に直接当たらないようにする」
冷房、冷蔵庫の普及で冷えすぎが原因の腹痛は多いです。

60代男性 一般内科 「エアコンの風に直接当たらないようにする」
外部から冷やさないことが大事です。

40代男性 消化器外科 「エアコンの風に直接当たらないようにする」
適度な温度調整が必要と思われます。

40代男性 一般内科 「暖かい飲み物を飲む」
常温か温かい飲食物を摂取するのが簡単な予防法です。

50代男性 一般内科 「暖かい飲み物を飲む」
やはり腹部の内部と外部からの保温です。

30代男性 消化器内科 「暖かい飲み物を飲む」
内側から熱を産生することが大事と思います。

集計の結果、冷えによる腹痛を日頃から予防できる良い方法は、「冷たい飲み物を避ける」との回答が最も多く、次に「エアコンの風に直接当たらないようにする」、「暖かい飲み物を飲む」が続きました。
「冷たい飲み物を避ける」と回答した医師からは、「冷たいものを大量かつ持続的に飲むのは控えた方が良い」との意見を頂きました。
冷たい飲み物に関しては、前項でも多く摂ってしまうと腹痛になりうるとの指摘があります。やはり摂りすぎには十分注意が必要ですね。

また、「エアコンの風に直接当たらないようにする」ことも有効なようです。
外部から冷やさないことが大切であり、適度な温度調整が必要と考える医師もいらっしゃいました。
冷房や冷蔵庫の普及で冷えすぎが原因の腹痛も多いとのこと。夏場の厳しい暑さを乗り越えるため頼ってしまいがちなエアコンですが、その使い方には注意した方が良さそうですね。

最後に、「暖かい飲み物を飲む」ことが良いと回答した医師からは、「内側から熱を産生することが大事」、「腹部の内部と外部からの保温が良い」とのコメントを頂きました。
お腹の内側・外側の両方から冷やさないよう工夫することが大切なことがうかがえます。

これらをまとめると、予防法としては、とにかくお腹を冷やさないよう、飲み物の温度や室温に気をつけることが有効なようです。

冷えによる腹痛はある。冷たい飲み物、エアコンの風に気をつけ、温かい飲み物で予防を

本調査では、冷えによって腹痛を起こすことに肯定的な見解を示す医師が75%という結果になりました。
その原因として、冷えによる血行障害での腸管の萎縮、痙攣、蠕動低下、循環不全などが挙げられました。
一方で否定的な回答をした医師のなかにも、身体の外側から冷える場合は腹痛にならないものの、冷たい飲み物などを大量に摂取することによって身体の内側が冷えた場合、腹痛になることはあるとした医師もいらっしゃいました。
続いて、冷えによる腹痛を日頃から予防する方法について調査したところ、最多で回答されたものは「冷たい飲み物を避ける」でした。
他には「エアコンの風に直接当たらないようにする」、「温かい飲み物を飲む」などが回答されています。
それぞれのコメントをまとめると、とにかくお腹の内側と外側の両方から冷えないよう工夫することが推奨されていました。
よく冷えてお腹を壊すという方は、これらを参考にして対策してみてはいかがでしょうか。

引用元:イシコメ 医師と患者をむすぶメディカルサービス
https://ishicome.medpeer.jp/entry/1481

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