むくみを解消するためにカリウムを摂取するのは適している?医師480人に聞いてみました
本調査では、「むくみを解消するためにカリウムを摂取する事は適していると思いますか?」という質問に対し、「わからない」との回答が一番多く、次に「あまり適していない」、「適している」が続きました。「わからない」、「あまり適していない」と回答した医師からは、むくみの原因によって、カリウムがむくみの解消に効果があるかは変わってくるという意見も多く見られました。また、腎機能が低下している場合は、カリウムの摂取自体が危険という声も聞かれました。「適している」と回答した医師からは、カリウムを摂取することがナトリウムの排泄に繋がり、結果的にむくみの改善に繋がるとした意見が多く挙げられています。本記事を参考に、むくみの解消のためにカリウムを摂取する場合は、ご自身の腎機能の状態を確認し、過剰摂取にならないように気を付けましょう。
体のむくみが気になっていませんか?むくみは、特に女性の方に多い悩みですよね。
むくみの解消法といえば、よく定期的なマッサージが挙げられます。
しかし、忙しい方は、その時間を割くのもままならないのではないでしょうか。もし日頃の食生活の工夫でむくみが解消されるのであれば、試してみたいですよね。
そこで今回は、医師480人に、むくみを解消するためにカリウムを摂取することは適しているのか聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年11月16日~2018年11月19日にかけて行われ、一般内科,総合診療科医480人から回答を頂きました。
むくみを解消するためにカリウムを摂取する事は適しているの?
「むくみを解消するためにカリウムを摂取する事は適していると思いますか?」という質問に対して、次の選択肢から1つ選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
・大いに適している
・適している
・あまり適していない
・全く適していない
・わからない
・その他
以下のグラフが結果となります。
集計結果では、「わからない」との回答が33%と一番高く、次に「あまり適していない」29%、「適している」25%が続きました。
わからないが最多だったものの、適しているという回答と、適していないという回答に関しても大きく分かれる結果になりました。
それでは、医師のコメントを見ていきましょう。
一概にカリウムの摂取でむくみが解消するとは言えない
・60代男性 一般内科 「わからない」
むくみとの関係はあまり良くわからないと思います。
・40代男性 一般内科 「わからない」
カリウム不足でのむくみはあまり経験していません。
・40代女性 一般内科 「わからない」
実際に臨床上、カリウムでむくみが改善した人はみたことがないです。
・50代男性 一般内科 「わからない」
ナトリウムよりは適しています。
・50代男性 一般内科 「わからない」
利尿作用はあるとは思いますし、降圧効果もあるし、腎不全がない場合であれば、カリウムは摂取すべきミネラルです。
・50代男性 一般内科 「わからない」
尿中ナトリウム排泄は増加すると思います。一方で症状が改善するかどうかは、むくみの原因によると思います。
・50代男性 一般内科 「わからない」
たくさん取ったからといって改善するとは思えません。
・40代男性 一般内科 「わからない」
カリウム補充が適切な病態なのか否かが重要です。
・50代男性 一般内科 「わからない」
カリウムだけというのは怖いです。バランスが大切でしょう。
・60代男性 一般内科 「わからない」
その人の状態によります。腎機能が低下している場合は、カリウム過剰摂取は危険です。
・40代男性 一般内科 「わからない」
腎機能のチェックが必要です。
・30代男性 一般内科 「わからない」
ナトリウムの排泄を促すことでむくみを解消するという理屈は納得できますが、腎機能の悪い人ではカリウムの排泄もできず、高カリウムになるイメージです。
まずは、医師の意見で最も多かったのは「わからない」とのコメントです。
改善するとは思えない、その様なケースを経験したことがないとのコメントが多くありました。
一方で医師によっては、カリウムの摂取によりナトリウムの排泄を促すことで、むくみを解消できると効果を肯定する意見もありましたが、むくみの発生した原因によって異なるとの意見もみられました。
なかには、腎機能が低下している方がむくみの解消にカリウムを過剰に摂取すると、高カリウムになるといった危険性を指摘する声もみられます。
カリウムを摂取する場合は、自身の腎機能の状態に気を付けた方がよさそうです。
むくみの解消に有効な方法とは言えない
・40代男性 一般内科 「あまり適していない」
あまり有効な方法とは思えません。
・30代男性 一般内科 「あまり適していない」
原因によっては、適していないと思います。
・50代男性 一般内科 「あまり適していない」
原因疾患の鑑別が重要で、一概には言えないところがあります。
・40代男性 一般内科 「あまり適していない」
カリウムが多めの食品を多少増やすくらいなら可です。
・30代男性 一般内科 「あまり適していない」
多少の塩分排泄の効果はあるかもしれません。
・50代男性 一般内科 「あまり適していない」
塩分摂取過剰の際には有効かもしれません。
・30代男性 一般内科 「あまり適していない」
ナトリウム・カリウムの取り込みである程度は改善するかもしれません。
・30代男性 一般内科 「あまり適していない」
カリウムと塩分は同時に摂取してしまうことが多いためです。
・30代女性 一般内科 「あまり適していない」
カリウムの摂り過ぎはリスクです。
・40代男性 一般内科 「あまり適していない」
腎機能をしっかり評価したうえで判断した方がいいです。
・50代男性 一般内科 「あまり適していない」
まず血液中カリウム値を確認することが重要と思います。
・40代男性 一般内科 「あまり適していない」
腎機能が悪くない場合限定です。
・60代男性 一般内科 「あまり適していない」
目的をもった過剰摂取は推奨しません。
・50代男性 一般内科 「あまり適していない」
原因によります。むやみに摂取し過ぎも毒でしょう。
・50代男性 一般内科 「あまり適していない」
むくみを解消するためカリウムを摂取する事は、バランスを欠いた食事になると思います。
・50代男性 一般内科 「あまり適していない」
カリウムよりも生活習慣が大切です。
次にコメントで多かったのは、「あまり適していない」という意見です。
ここでもカリウムの過剰摂取は、腎機能が正常な方でないと危険という意見があがりました。
やはりむくみの原因がはっきりしない場合であれば、過剰摂取は控えた方がいいようです。しかし、「塩分摂取過剰の際には有効かも」「カリウムが多めの食品を多少増やすくらいなら可」というコメントもあり、場合によっては有効と考えている医師もいらっしゃいました。
「カリウムよりも生活習慣が大切」との意見もみられたことから、一概に「むくみ解消=カリウム」というわけではないのかもしれません。
原因がナトリウム過剰摂取なら効果が期待できる
・30代男性 一般内科 「適している」
ナトリウムとのバランスです。
・50代男性 一般内科 「適している」
少しは効果あるかもしれません。
・30代男性 一般内科 「適している」
臨床的に適していると思います。
・60代男性 一般内科 「適している」
カリウム摂取不足では浮腫を起こします。
・40代女性 一般内科 「適している」
利尿作用があるので、多少は効果があると思います。
・30代男性 一般内科 「適している」
ナトリウム排泄につながるのである程度効果はあると思います。
・50代女性 一般内科 「適している」
細胞外液を減少させむくみを改善させます。
・50代女性 一般内科 「適している」
ナトリウム過剰摂取状態からの離脱を図ることができます。
・50代男性 一般内科 「適している」
多少は塩分制限されます。
・40代男性 一般内科 「適している」
腎機能障害がなければ適しています。
・60代男性 一般内科 「適している」
カリウム摂取によるむくみ解消は適していますが過剰はだめです。
「適している」との回答も一定の支持を集めました。
回答した医師の多くが、「カリウムを摂取することでナトリウム排泄につながる」とコメントしています。
医師のコメントによれば、カリウムを摂取すると、カリウムの利尿作用により、むくみになりやすいナトリウム過剰摂取状態からの離脱が図れるようです。
一方で、他のコメント同様に、腎機能障害がないことを条件に掲げる医師もいました。カリウムの過剰摂取は危険という意見は共通しているようです。
むくみが解消できるからといって、カリウムを過剰摂取するのは、避けるようにした方が良さそうです。
引用元:イシコメ 医師と患者をむすぶメディカルサービス
https://ishicome.medpeer.jp/entry/1530