「コンタクトレンズで目がゴロつく…」汚れ・傷・乾燥、場合によっては病気が原因かも?


「コンタクトレンズで目がゴロつく…」汚れ・傷・乾燥、場合によっては病気が原因かも?

コンタクトレンズを使っている人は、「目がゴロゴロしてくる」という悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。目薬をさしたり、コンタクトレンズをはずして洗ってみたりするけれど、またすぐにゴロゴロしてしまう経験がある人も少なくないでしょう。一体、コンタクトレンズで目がゴロつくときは、どうしたらいいのでしょうか。

なぜ、コンタクトレンズで目がゴロつくの?

Q. コンタクトレンズをしていると、目がゴロつくことがあります。

A. コンタクトレンズを装着しているとき、目がゴロゴロする感じを覚える人は多いようですね。いくつか原因が考えられるのですが、よくあるのは「コンタクトレンズが汚れている」ということです。この場合、汚れを取り除けば、目のゴロゴロ感はなくなるはずです。

Q. どうして、コンタクトレンズが汚れるのでしょうか?

A. 例えば、汚れた手でコンタクトレンズを触ったり、不適切なケアをしたりすると、コンタクトレンズに汚れが付着しやすくなってしまいます。また、ファンデーションやアイメイクなどの化粧品の成分が目に入ってしまった場合や、洗顔時に洗い残しがあった場合も、汚れの原因になり得ます。

Q. 汚れ以外に、ゴロつく理由はありますか?

A. コンタクトレンズに傷がついているケースでしょうか。傷がつく原因としては、コンタクトレンズを必要以上にこすり洗いしたり、乾燥した状態で取り扱ったりすることなどが挙げられます。

Q. コンタクトレンズのサイズは、関係ありますか?

A. はい。自分の目に合っていないコンタクトレンズを装着している場合も、ゴロつく原因となります。本来は、眼科医の診察を受け、眼球のカーブや酸素透過率が自分に適したコンタクトレンズを選ぶのが理想的です。しかし、インターネット通販やドラッグストアなどの市販品を自己判断で購入すると、自分の目と合わず、ゴロゴロ感を引き起こしてしまう可能性があります。

Q. 最近では、市販のカラーコンタクトレンズを使う人も増えていますね。

A. その点も注意が必要です。なかには、品質が悪いカラーコンタクトレンズもあり、それが目を傷つける原因になることもあります。とくに、レンズの色素が眼球に直接触れてしまうタイプのカラーコンタクトレンズは、目に大きなダメージを与えてしまいます。カラーコンタクトレンズを購入するときは、ある程度信頼できるメーカーを選ぶ必要があります。

「目」に原因があるゴロゴロ感

Q. 今までの話をまとめると、目がゴロつくのはコンタクトレンズに原因があるということですか?

A. いいえ、必ずしもそうとは限りません。目そのものに原因があることもあります。よくあるのが、「目が乾燥している」場合です。本来、コンタクトレンズは涙の上に浮かんで目の表面を覆います。しかし、コンタクトレンズを装着しているときは、涙の分泌が不安定になって目が乾きがちな状態に陥ってしまいます。そうなると、まぶたとコンタクトレンズの間に摩擦が生じ、これがゴロゴロ感を引き起こします。

Q. なるほど。あと、コンタクトレンズを装着したままパソコン作業を長時間続けていると、目がゴロゴロします。

A. 目を酷使したり、乾燥した室内に長時間いたりすると、目の表面を潤す涙が蒸発してしまい、目の角膜が乾燥してしまいます。これは、いわゆる「ドライアイ」の状態です。その結果、角膜に供給される酸素や栄養素が不足して、ゴロゴロ感や異物感を生じさせてしまうのです。

Q. ドライアイは、どのように対処したらいいのでしょうか?

A. ドライアイ用の目薬を使いましょう。また、長時間にわたってパソコン作業をしたり、車の運転をしたりする際は、まばたきの回数が少なくなって、目の乾燥がひどくなってしまいます。意識的にまばたきをして、目の乾燥を防ぐのも有効です。

Q. 疲れた目を休めるのに、冷たいタオルを目の上に乗せることもありますが、効果はあるのでしょうか?

A. ドライアイになったら、目は冷やすのではなく、むしろ温めた方が効果的です。目を温めることによってまぶたから出る油分が溶け出し、潤いを与えてくれます。適宜、ホットアイマスクや蒸しタオルなどで、目を温めてあげましょう。

コンタクトレンズ装着時に注意したい目の病気

Q. ゴロつきを招く原因は、たくさんあるのですね。

A. そうですね。ほかにも、コンタクトレンズではなく目に異物が付着しているとゴロゴロしますよね。抜けたまつげやゴミ、洗顔剤などが目に入ったときに、目のゴロつきを感じたことがある人も多いのではないでしょうか。異物によって目が傷つき、痛みが出てきた場合は、眼科を受診しましょう。

Q. ゴロゴロ感が病気のサインということは考えられますか?

A. はい。結膜が炎症する「結膜炎」が例として挙げられるでしょうか。結膜炎には、「感染性結膜炎」と「アレルギー性結膜炎」があり、どちらも目のゴロゴロ感や結膜の腫れ、むくみ、充血などを起こします。また、結膜炎になると、目やになどがたくさん分泌され、コンタクトレンズを汚す原因にもなります。

Q. 結膜について、もう少し説明をお願いします。

A. 白目の一番表面にある膜が結膜です。まぶたの裏側から眼球の黒目の境まで、白目の部分を覆っています。結膜は、外の刺激から眼球を守る役割を担っています。

Q. その結膜が炎症を起こしてしまうと?

A. そのとおりです。感染性結膜炎はウイルスや細菌の感染が原因で、もう一方のアレルギー性結膜炎は花粉やハウスダストなどのアレルギー物質が目の表面に付着することによって起こります。先述した症状が出たら、眼科を受診して必ず治療をおこないましょう。

Q. 病気が原因でコンタクトレンズによる目のゴロつきが起きている場合は、先に治療が必要ですよね?

A. そうですね。結膜炎のほかにも、コンタクトレンズ装着時に目のゴロつきを起こす病気には、角膜に傷がついて炎症を起こす「角膜炎」も考えられます。角膜炎の原因としては、逆さまつげやアイメイク、ドライアイ、コンタクトレンズの不適切な使用などが挙げられます。目のゴロゴロ感や痛み、充血、視界がぼやけるといった症状が出たら、放置せずに眼科医に診てもらってください。


芳賀 剛(新馬場眼科 院長)

山梨医科大学(現・山梨大学)医学部卒業。その後、山梨大学医学部附属病院勤務医、加納岩総合病院眼科医長、おおたけ眼科古淵医院院長を務める。2016年東京都品川区に「新馬場眼科」を開院。大学病院時代より、一般眼科診療以外に弱視や斜視の診察治療にも注力する。子どもからお年寄まで、地域の人たちがいつでも安心して受診できる眼科を目指している。


引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より

※記事内容は執筆時点のものです。
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